セルフ・リライアンスという生き方

投資信託を中心にいい会社、いい事業にコツコツ長期投資。 社会とつながるソーシャルな投資や寄付も実践中。

ライフリンク 清水康之さんのお話を聞きました(認定NPO法人3keys・第18回 Child Issue Seminar)

子どもを取り巻くさまざまな課題を知る、認定NPO法人3keysのChild Issue Seminar。

18回目は、NPO法人 自殺対策支援センター ライフリンクの清水康之さんの講演と、3keysの森山誉恵さんとのトークでした。

ライフリンク・清水康之さん講演&トーク(子ども・若者の自殺の現状と課題)

NHK出身の清水さんは、「クローズアップ現代」などのディレクターを経て、2004年に自ら自殺の問題に取り組むためライフリンクを設立。メディアでもよく拝見します。自殺対策基本法の整備などにも尽力されてきました。

子どもや若者の自殺の現状と、どうすれば自殺を防げるかについて多くの示唆を頂きました。以下メモです。

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・データ上、毎年の自殺者数は減っているが、亡くなった人は生き返らない。年次ベースでは減っていても、新たに毎年2万人以上、毎日約60人が自殺しているのが現状。20代以下では毎日10人。他国と比べても日本は若者の自殺死亡率が高い。

・生きることの「促進要因」よりも「阻害要因」が大きくなったときに自殺リスクは高まる。かりに阻害要因があっても両者がバランスしていれば自殺には至らない。自殺対策の基本は、促進要因(他者との信頼関係、経済的な安定、ライフスキル・・)を高めながら、阻害要因(将来不安、孤立・・)を取り除くこと。

・だから、自殺リスクを抱えている人や家族への対人支援だけでなく、生きられない状況に陥らない、困難な状況でも生きる道を選べるような地域や社会づくりが大切。

・日本の子どもや若者の自殺の多さの背景には「自己肯定感が低い」という問題がある。自己肯定感=「自分には価値がある」と思える気持ち。

・学校現場では「SOSの出し方授業」で、子どもたちに「自分を大切にすること」を教えている。自分が若かった頃の悩みをさらけだし、「大丈夫、すべてのことは無駄ではないから」と伝えている。子どもに共感してもらうには、大人自らノーガードで自己開示すること。

今の日本は、何らかの条件(テスト、受験、就職・・・)をクリアしないと、存在が承認されない社会になってしまっている。自分を無条件に受け入れてくれる人が一人でもいれば、人は生きようと思える、という話はジーンときました。

最近いろんな機会に思うのですが、子どもが自己肯定感を高め、前向きに生きられる社会をつくるには、やっぱり、学校(先生)、家庭(親)、社会全体の価値観を、画一的な評価で人を測る考え方から、多様で柔軟なモノサシに変えていくことが必要と改めて感じました。そんな簡単なことではないのですが。

清水さんが紹介してくれた、自殺対策のキャンペーンソング、ワカバの「あかり」です。歌詞が響きます。

認定NPO法人3keys・2017年度活動報告

あわせて、3keysの2017年度の年次報告もありました。

座間や目黒のショッキングな事件が記憶に新しい中、最近は虐待や子どもの孤立の問題に瞬間風速的にメディアのスポットが当たることもありますが、児童相談所の体制不足など制度的な問題や根本的な課題は変わっていません。

学習支援事業では、2017年度は、今までの施設派遣型と、教室型の学習支援に加えて、児童養護施設などを退所後の子どもに勉強を教える無料の個別指導プログラム(COSTA)を始めました。

子ども関連の予算がすぐには増えない中で、行政の手が届かない部分をカバーする3keysのような活動は本当に大事だし、サポートの輪が広がってほしいです。

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学習支援事業ともう一つの柱である、10代向け悩み相談ポータルサイト「Mex」(ミークス)は、全国版に広がり、アクセスや相談件数は大きく伸びています。誰にも相談できず困っている子どもたちと、全国の各分野の支援団体をつなぐのがサイトのメインの役割です。3keysでの直接相談も受け始めました。

Mexの認知度がアップし、多くの10代にリーチできるようになった反面、匿名やメールでの対応の難しい相談も増え、支援団体側のキャパシティ向上が課題になってきているそうです。

Mexは、寄付で運営されていて、無料で掲載できるのが素晴らしいところです。支援団体側も成長でき、子どもの支援全体の底上げにつながるようなプラットフォームに一層育つよう、応援しています。

3keysの過去記事です。