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映画「ほたるの川のまもりびと」を観ました:石木ダム問題を考える

映画「ほたるの川のまもりびと」を観ました。
長崎・川棚町で計画されている「石木ダム」の予定地、・川原(こうばる)地区に住む人々の暮らしを描いたドキュメンタリーです。

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石木ダムは、大村湾に流れ込む川棚川の支流・石木川に計画中の多目的ダム。1960年代に話が上がり、地元の人たちの長年の反対運動の歴史があります。当時とは社会経済情勢も変わり、人口減少で水需要も減っている中で中止すべきという意見が強まっています。

石木ダム問題とは : 石木川まもり隊

一方、長崎県と佐世保市は2013年に国の事業認定を受け、粛々と工事を進める構え。現在、地元の人たちは事業認定取消を求め訴訟中です。

この映画の監督は山田英治さん。博報堂のCMプランナーでしたが、東日本大震災をきっかけに、「企業のため」ではなく「社会のため」のクリエイターになろうと大きく価値観が変わり、石木ダム問題にも関わることになりました。

私自身は、パタゴニア日本支社長の辻井隆行さんや、鎌倉ソーシャルグッドキャピタルの江口耕三さんを通じて映画を知り、2016年のクラウドファンディングで製作費を応援しました。

 

映画では、多くの人たちが土地を手放し離れていった中で残り続けている13家族の日常と、ダムへの思いを丁寧に描いています。

観終わって一番感じたのは、ダムが必要かは置いておいて、川原の人たちが長く受け継いできた「普通の」暮らしと、多くの生きものがいる美しい里山の風景を残していきたいなあ、という素朴な気持ちです。

かりに、石木ダムの効果が多少なりとも本当にあったとしても、500億以上もの予算をかけて、彼らの暮らしや土地を奪い、自然を壊してまで作ることに賛同できる人は少ないと思います。
また、農業を営んできた人たちとって農地は生活そのもので、それを捨てろというのは、都会で道路を作るから引っ越してください、というのとは話が違いすぎます。

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上映後には辻井さんのトークがありました。
ダム問題は、利害関係者がとにかく多いこと、何十年も歴史があることも問題をややこしくしていると言います。

県も「ここまできて今さら引けない」状況なので、ただ単に全面対立ではなく、もし知事が石木ダムをやめたら大英断、素晴らしい!と県民やメディアから称賛されるような空気づくりが大切だ、と言っていました。

そのためにも、問題を知ることは大切です。長崎や佐世保でも「よく知らない」という人が多い中、坂本龍一さん、伊勢谷友介さん、小林武史さん、いとうせいこうさんなども関わっていて、少しずつ認知度も上がってきています。

映画を観る前は、手続き的にもう厳しいのではと思っていましたが、多くの人が声を上げれば希望はある、と少し前向きな気持ちになりました。