セルフ・リライアンスという生き方

投資信託を中心にいい会社、いい事業にコツコツ長期投資。 社会とつながるソーシャルな投資や寄付も実践中。

鎌倉投信(結い2101)運用報告会(2018年4月)

鎌倉投信の春の運用報告会に参加しました。昨年5月以来の本社屋でした。秋の受益者総会、春の報告会は毎回出ています。

いつも通り、運用責任者の新井和宏さんから、結い2101の2017年4月~2018年3月の運用報告をお聞きしました。結いだよりなどで開示している事項を中心にメモです。

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結い2101の運用状況

※2017年4月1日~2018年3月31日

純資産総額 
 263億円 → 349億円(+33%)
「投信まとなび」で月次資金流出入を見ると、今年1月に▲5億円程度の純流出があった以外ははほぼ流入超で安定。

口座開設者数 
16,799人 → 18,577人(+11%)
うち、積立の顧客は10,548人(全体の6割近く)。つみたてNISAの開始に伴い、この比率は高まるとの予測です。

組入企業数 63社(うち非上場6社)
ここ1年では+2社(ホープ、開示基準に達していない1社)で、新規組入のペースはやや鈍化。今年に入り、マーケットが下落&荒い展開なので、新規組入よりもファンド全体のリスクコントロールと、既存の投資先の企業価値向上に力を入れている状況です。

各銘柄の組入比率目標は1.2%が上限。

パフォーマンス
直近1年のリターンは+16.0%。(同期間のTOPIX配当込は管理人チェックでは+15.9%)
現金比率約4割でも、鎌倉投信の得意な日々の細かい売買による利益の積み重ねで、一定のリターンを確保しています。今年に入っての市場下落局面でも、横ばいで踏ん張っており、結いの強みが出始めています。

リスク管理
3月末の現金比率は約37%で、ここ半年程度は4割前後で推移。

直近1年は、設定リスク10%よりも実際の基準価額変動率が下回っていたが、一方で急落リスクも高まっている(※)ので、株式ウェイトは上げていない。
※基準価額(時価)が、簿価ベースの基準価額(投資先の企業価値)を2割以上オーバーシュートしている状態。

今後の急落に備えて、以前から言っている、先物の売建てやボラティリティインデックスを使ったリスクヘッジ手法の導入も引き続き検討中です。これは去年の報告会でも話がありました。

鎌倉投信(結い2101)運用報告会(2017年5月)(旧ブログ)

QUICKの「中長期投資にふさわしい投信」に選定
前回記事を参照。リスク階級2のクラスでシャープレシオ1位のファンドに選ばれました。選ばれた計5本のファンド中、つみたてNISAの対象ファンドは結い2101のみです。
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投資先企業のトピック

・「八女里山賃貸」が事業開始
投資先であるトビムシ、ホープ、カヤックのほか、DMX(福岡R不動産)が出資し、福岡県八女市で「八女里山賃貸(株)」を設立。地元の木材を使った移住者向け賃貸住宅事業を開始しました。

「八女里山賃貸株式会社」設立と賃貸住宅「里山ながや・星野川」建設のお知らせ | トビムシ

森が地域と人をつなぐ 〜里山の集合住宅PROJECT〜 - 福岡R不動産

・ホープとの定期ミーティング
最近投資先に加わった、自治体の財源確保支援を行っている福岡のホープと、定期的な対話をを実施中。新井さんが定期的に訪問し、「いい会社」として育っていけるよう、社員教育や人財育成をサポートしています。

ツムラとマイファームの連携、ヤマトHDやアミタとの対話についても話がありました。アミタとは、詳しく書きませんが過去の経緯からやや疎遠だった関係が改善されてきています。エンゲージメントの実例としても興味深い話でした。

最近は、スチュワードシップコードやESGの流れで、投資家が企業との「対話」を求められています。企業側から見れば、全ての投資家とみっちり対話する労力はかけられないので、企業側が「いい」ファンドマネージャーやアナリストを選別する時代になりつつあります。

その点鎌倉投信は、大手と比べれば規模は小さくても、企業側から「投資してほしい」ファンドとして独自のポジションを確立しているので、経営トップと実のある長期的な対話ができています。最近は、ESG対応や統合報告などについて、投資先以外の企業からアドバイスを求められることもあるそうです。 

所感

鎌倉投信の運用報告会は、ファンド規模が大きくなっても話す内容は基本的に変わりません。しかし、新井さんの言葉のとおり「変わらないこと」「同じことを徹底してやり続けること」が一番大事ですし、受益者から見ても安心です。

対マーケットの点では、昨年の報告会の時以上に、急落リスクに配慮していることが伝わってきました。結い2101は、もともと現金比率多めで価格変動を抑えていますが、リスクコントロールには一層注力しています。プロから見ても、それだけ大きな相場変動があり得る局面なのでしょう。

純資産300億を超え、安定運用フェーズに入ってきた印象があります。運用部(現在2名体制)も増強検討中です。受益者から見ると、企業選びや投資先との対話、日々の運用全てにおいて、新井さんの担う比重がまだまだ相当高いので、チームの強化にはぜひ取り組んでほしいと思っています。

今年の受益者総会は、横浜・大さん橋ホールで2018年9月22日に開催されます。また受益者仲間で会えるのを楽しみにしています。

【過去記事】

鎌倉投信の第8回「結い2101」受益者総会(その1)

鎌倉投信(結い2101)がホープに投資

鎌倉投信 新井和宏さん×テラ・ルネッサンス 鬼丸昌也さん 「平和と資本主義の未来は『個人』がつくる」・第3回(ゲスト:幸せ経済社会研究所 枝廣淳子さん)