セルフ・リライアンスという生き方

投資信託を中心にいい会社、いい事業にコツコツ長期投資しています。 社会とつながるソーシャルな投資や寄付も実践中。

Living in Peace 慎 泰俊さん × 3keys 森山 誉恵さん(LIFULL One P's Night)

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「児童養護」をテーマにしたLIFULLさんのイベントに参加しました。

ともに子どもの支援の分野で活動されている、認定NPO法人Living in Peaceの理事長・慎 泰俊さんと、認定NPO法人3keysの代表理事・森山 誉恵さんをゲストに迎え、子どもを取り巻く現状、各団体の活動紹介とトークセッションでした。

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まず、Living in Peaceの慎さんから、「社会的養護の全体像」というペーパーをベースに解説。慎さんは、著書やセキュリテのマイクロファイナンスファンドで知っていましたが、直接話をお聞きするのは初めてでした。

この資料は体系的で非常に参考になります。noteで公開されています。

社会的養護の課題の全体像(2017)のスライド資料をダウンロード可能にしました|Taejun|note

お話の中でインプットしたのは以下の課題です。

・虐待相談件数急増(2016年は12万件超)に伴う児童相談所の体制不足
・虐待の背景にある、経済的、精神的に困難な親への支援の必要性
一時保護所の施設格差の問題

特に、3つめの「一時保護所」の問題は知りませんでした。
「一時保護所」はその名のとおり、子どもを一次的に保護する児相内のシェルターのような施設です。慎さんによると、この保護所の環境がピンキリで、きちんとした施設もたくさんある一方、中には外部と完全にシャットアウトされ、自由のない、刑務所に近いような施設もあるそうです。

安全を確保されたと思った子どもが、一時保護所でむしろ権利を侵害され、さらに深いトラウマを負ってしまうこともあります。慎さんは、それまでの生活と切り離されてしまう一時保護所ではなく、地域の施設や里親への一時保護委託を増やすべきと提案しています。

慎さんの資料には他にもたくさんの論点があるので、勉強します。

(参考)慎さんの記事。
「一時保護所」とは、どういう場所なのか|ちくま新書|webちくま

 

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続いて、森山さんからは、3keysの柱である、児童養護施設での学習支援と、10代向けなやみ相談・支援情報サイト「Mex(ミークス)」の取り組みについて。

3keysのサポーターになって約1年半ですが、今回印象に残ったのは、当事者である子どものニーズをくみ取る難しさについてのお話。

虐待や貧困、いじめ・・・さまざまな辛い環境で孤立してしまったとしても、自分から声を上げられる子は、何とかやっていけたりします。
問題は、自己肯定感や自尊心を失い、声を上げられない、自分が声をあげてはいけない、と思っている多くの子たちの声をどうやって拾うかということ。これは本当にそうだなと思いました。

Mexを立ち上げたのは、こういった、声にならない声をすくい上げたいという背景もあるそうです。ネットを通じて、見えていない氷山の下の部分、本当に支援が必要な子どもたちのニーズが分かり、それらがデータとして可視化されれば、子どもの支援に関わる人たち全体にとってもプラスです。より効果的な対応や政策的な提言にもつなげられるでしょう。

 

また、森山さん、慎さんが共通して言っていたのは、社会保障予算に占める子ども・家庭向け支出の少なさ、特に、虐待など児童養護の分野への公的支出の絶対的な少なさです。

ここ10年ぐらい(特にリーマンショック以降)は、子どもの貧困や虐待が社会問題として取り上げられることも増えました。
しかし、児童相談所の状況一つ見ても、予算が全く足りていないのは相変わらずな上、森山さんの言うとおり、当事者である子どもや支援団体のニーズと国の制度や予算がズレてしまっている問題もあります。

言うまでもなく、今後高齢者向け社会保障費は増大の一途をたどります。人口比から考えても、子どもにまわるお金は積極的に増やさない限り、割合としては減っていってしまうでしょう。

子ども向けの公的支出は「国家のR&Dのようなもの」という話もありました。目先のことに追われて、長期的な目線で研究開発や設備投資にお金をまわさない企業と同じく、子どもにお金をかけない国が衰退する、というのは自明です。

子どもにどうすればもっとお金をまわせるのか、民間だけで限界があるなら、やはり政治を動かすことが必要になってきます。

自分も、3keysなどのNPOに寄付というかたちで関わっているだけでそれ以上のことはできていないので、偉そうなことは言えませんが、われわれ市民、大人が、問題を知ること、伝えること、できることをやり続けること以外に近道はないんだろうなと改めて感じました。

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会場のLIFULL HUBは、とても心地よいスペースでした。
LIFULLさん(旧ネクスト)というと、鑑定士的にはHOME'Sの印象が強いですが、「One P’s」プログラムといって、労働時間の1%、利益の1%を寄付や社会貢献に使おう!という素晴らしい取り組みを始めました。クラウドファンディングのジャパンギビングも今はLIFULLのグループです。

社会貢献活動支援プログラムをスタート | 株式会社LIFULL(ライフル)

LIFULL HUBでは、ソーシャル系以外にもいろんなイベントをやっているので、また行く機会がありそうです。

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