セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

米国株式長期厳選ファンドの第1期運用報告書をチェック

積立をしている農林中金の「米国株式長期厳選ファンド」の第1期の運用報告書がアップされています。(決算日:2018年6月20日)

本ファンドと、運用責任者の奥野一成さんについては過去記事をご参照。

農林中金バリューインベストメンツ・奥野一成さん(投資信託をもうちょっと身近に感じてみよう勉強会・第5回)

農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)・奥野一成さんとの対話

農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンドに積立開始

パフォーマンス

設定日(2017年7月5日)から2018年8月10日までの基準価額の推移です。

本ファンドはベンチマーク、参考指数などはありません。
勝手ながら、S&P500のインデックスファンド(iシェアーズ米国株式インデックス)の基準価額を、2017年7月5日=10,000円に換算して比較しました。

本ファンドは1期に分配金を50円出したので、青線は分配金再投資の数字です。

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設定日から1年ちょっとで参考程度ですが、2017/7/5~2018/8/10の期間で、本ファンドは+15.3%、S&P500のファンドは+16.6%と、やや劣後しています。

アマゾンやマイクロソフトなど、相場を牽引していた指数構成比率上位のIT系を組み入れていないせいもあるでしょう。長期保有のファンドなので、2期目以降も引き続きウォッチします。

純資産総額

純資産総額の推移(単位:百万円)です。
第1期末(6/20)の純資産総額は2.48億円、8/10現在では3.57億円です。

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ファンドマネージャーの奥野さんも言っているとおり、このファンドは、そもそも大々的に売る方針ではありません。運用哲学を理解した上で、コツコツ長期投資してくれる顧客に買ってもらいたい意向から、販売会社も、大手証券は通さず、SBI証券(積立購入かiDeCoのみ)と、岡三証券(iDeCoのみ)です。

したがって、規模はまだ小さいですが資金流入は安定しています。2017/7~2018/6の月次ベースでは、12ヶ月中11ヶ月が純流入でした(モーニングスターのデータ)。今後もじわじわ着実にお金が入ってくるといいと思います。

なお、本ファンドは、もともと機関投資家向けに運用されていたものを、個人向けに公募設定したものです。マザーファンドの純資産総額は今年2月時点で約60億円あるので心配はないでしょう。

ポートフォリオ

マザーファンドの投資先は26社です。
長期保有を掲げているので、いわゆるIT系や、ド派手な成長期待の企業よりは、地味でも、長期的に安定して伸びていくような会社を選んでいます。

付加価値の高い産業圧倒的な競合優位性長期的な潮流の3つの条件を満たす、持続可能なキャッシュ・フロー創出能力を有する「構造的に強靭な企業」>
という視点に基づきます。

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このうち、6月末現在の組入上位10社は以下です。
アメリカ企業に詳しくない自分でも、ビザ、ウォルトディズニー、3Mあたりはイメージがわきます。生活必需品、資本財、ヘルスケアで約6割を占めています。

1位のベクトン・ディッキンソンは医療機器、ヘルスケア関連の多国籍企業です。4位のコルゲート・パルモリーブは歯磨き粉「コルゲート」やシャンプー・洗剤などの「パルモリーブ」で有名な日用品のメーカー。

9位のクロロックスは4月に新規投資しました。家庭用品の中でも漂白剤などニッチなマーケットで高いシェアを持つ企業です。

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運用レポートの投資先企業の解説も勉強になります。

引き続き毎月積立を続けます。