セルフ・リライアンスという生き方

投資信託を中心にいい会社、いい事業にコツコツ長期投資。 社会とつながるソーシャルな投資や寄付も実践中。

農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンドに積立開始

農林中金全共連アセットマネジメントの運用する「米国株式長期厳選ファンド」に積立を始めました。

その名の通り、選りすぐりの米国企業を絞り込み、長期で投資するファンドです。もともと機関投資家向けに運用していましたが、昨年公募投信が設定され、SBI証券で購入できるようになりました。

rennyさんの記事で知りました。

農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド | rennyの備忘録 (投資信託をコツコツinvest #k2k2)

奥野一成さん(農林中金バリューインベストメンツ)が運用

投資する一番の理由はファンドマネージャーです。
本ファンドの運用責任者は、メディアにもよく登場する、農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)・CIOの奥野一成さん。

以前読んだ、奥野さんの運用哲学とエンゲージメントの考え方に共感しました。
企業・投資家・証券アナリスト 価値向上のための対話【読了】 

奥野さんは、本来の株式投資は単なるもうけの手段ではなく、資本主義を根っこで支える社会的な役割があると言います。

私たちの生活に有意義な価値をもたらす企業や事業を冷徹に見極めて投資する。見込み通りなら生活を豊かにし、結果としてあなたの個人資産も増えている。この知的生産こそが文明を進歩させる原動力としての資本主義、そして株式投資の本来の姿です。
(2016/11/18 日経新聞 なるほど投資講座「株式投資7つの誤解(8)まとめ 現代の資本家になろう」より)

奥野さんによれば、株式投資は「株券の売買」ではなく、いい事業、強い事業を選択し、そこに永続的に資本を配分すること(キャピタルアロケーション)です。

農林中金バリューインベストメンツの株式投資は、一言でいうと「売らなくてよい会社しか買わない」ということである。

長期厳選投資におけるリターンの源泉は保有企業の持続的な企業価値向上であり、景気変動や割高割安に基づく株券の売買ではない。(中略)長期投資にとって最も重要なことは「良好な経済性を有する事業を選択する」ことである。 
(「第2章 長期投資家の責務と企業との対話」より)

構造的に強靭な企業への投資

奥野さんの「売らなくてよい会社」とは、
・付加価値の高い産業 ・圧倒的な競合優位性 ・長期的な潮流
の3つの視点で評価された、持続的にもうけ続ける仕組みを有している=「構造的に強靭な」企業です。

付加価値の高い産業 
 → みんなの生活に必要とされるビジネス
圧倒的な競合優位性 
 → この会社と戦ってもしょうがないと思われるぐらいの参入障壁
長期的な潮流
 → 人口動態、歴史の推移・・という大きな流れ。(流行りの投資テーマではない)

この3つを兼ね備えるのは20~30社のほんの一握りとのこと。

SBI証券の商品紹介ページより)

日本人による米国株運用

外国株式のアクティブファンドの多くが海外の運用会社に実質運用を委託する中で、本ファンドは、日本で日本人が運用するのがポイント。

日本にいながら、強くていい米国企業をどうやって選ぶのか?という問いにはこう回答しています。

企業が営む事業の経済性を長期的な目線で判断し、強いビジネスのみに投資をするというスタイルであれば、情報の「速さ」や「量」は本質的な障壁とはなりません。
より重要なのは、企業のビジネスを深く理解し、長期投資に耐えうる企業としての強さを持っているという仮説を構築する力と、それを丹念に検証していく実行力です。

長期投資家は日々の情報に反応して売り買いするわけではないので、日本にいる方がむしろ雑音が入らなくてよい、とも言っています。(バフェットがウォール街ではなくオマハで長期投資を実践してきたのが証拠だと)

もちろん、現地調査や投資先との対話はしっかり行います(2016年は計7回、80社を訪問)。日本の運用会社だからこそ、日本の個人に「手触り感」のある米国企業への長期投資機会を提供していく、としています。

米国株式長期厳選ファンドのポートフォリオ

そのように厳選された、2018年2月末現在の投資先は27社です。2月末の組入上位10社です。

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(2月末の月次運用レポートより)

ビザ、ウォルトディズニー、3Mなども入っています。業種別では、資本財、生活必需品、消費財などが高く、IT、金融は低めです。

組入上位の顔ぶれ、組入企業数の少なさから判断して、アクティブシェア(インデックスとの差異の度合)は高そうです。長く持つのが基本なので、売買回転率は40~50%以下が目安(目論見書)と低めです。

SBI証券の商品紹介ページによると、過去約3年のパフォーマンスはインデックスを上回っており、今のところ結果を出しています。

コストその他

信託報酬は0.972%(税込)。運用が農中グループ内で完結していることもあり、外国株式のアクティブファンドとしては低めです。決算は年1回、信託期間は無期限です。

SBI証券では、iDeCoでの取り扱いが先行し、一般の口座でも積立購入のみです。長期投資してもらいたい運用者の意向が感じられます。

 

外国株式対象で、しっかりした調査に基づきいい会社を厳選し、長期でじっくり投資するファンドは(公募投信では)あまりありませんでした。運用の考え方は自分の志向とマッチしています。

数少ないいいファンドとして「セゾン資産形成の達人ファンド」にメインで投資してきましたが、少しずつこちらのファンドも買っていくつもりです。アメリカの個別企業のことは疎いので、これを機に勉強したいですね。

奥野さんが共著で参加されている本。

企業・投資家・証券アナリスト 価値向上のための対話

日本経済新聞出版社
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(2018/5/12 追記)
NVICさんより、ファンドマネージャーの奥野さんに直接話を伺う機会を頂きました。こちらもご覧ください。