少し前になりますが、8月6日のレオス・キャピタルワークスの「ひふみアカデミー」で、「ガバナンス」が取り上げられていました。
普段、ひふみ投信ではあまり取り上げられない論点なので、メモしておきます。
ガバナンスを表す定量的(形式的な)指標
持ち合い比率、取締役会人数、株主総会集中度、社長持株比率、社外取締役制度、ストックオプション・・・など
投資家サイドから見た昨今のガバナンスの問題
1.不透明なトップの交代
・どういう経緯で経営者が代わったのかよく分からない
2.外部の厳しい目を気にしない
・社外取締役が「業務化」している、何社も掛け持ちしている(おそらく一部の弁護士、会計士、著名な元経営者、学識経験者など)
・「ガラスの天井」ならぬ「ガラスの床」が存在する。本来ふさわしくない人も社外取締役になっている
→ これは個人投資家から見てもすごく思います。そもそも多すぎてきちんと監督できない、という話と、もう少し利害関係者の範囲を厳しくしてもいいのではないかと。
こんな記事もありました。
そもそも、ガバナンスの目的は?
企業の目的は、「持続的かつ健全な企業価値向上」であり、これこそガバナンスの本来の目的。単なる、経営者の経営体制の維持、管理や統制の話ではない。そこを取り違えていないか。
だからこそ、企業価値を上げることができなかったトップは変わらなければいけないし、社外取締役が機能していなければ、機関投資家が外部の厳しい目となって、きちんとエンゲージメントしないといけない。
ガバナンスと投資家の関係について、簡潔で分かりやすかったです。
ちなみに、投資家のガバナンスへの働きかけとしては、エンゲージメントと議決権行使がありますが、ひふみ投信の議決権行使方針は以下です。原則として反対はせず、日々の対話や株式の売買で対応する、としています。
レオス・キャピタルワークス スチュワードシップコード コード5より
「議決権行使は投資先企業との大切な対話手段のひとつと捉えていますが、それ以前に日々の対話を通じたエンゲージメント活動をより重視しています。経営陣の方針に賛同できない場合は株式の売却等で意思表示します。」
ひふみ投信の場合、問題があれば短期で入れ替えることも運用方針的には可能ですし、ファンド規模的にも、売買そのものがかなりの圧力になると思いますが、必要があればどんどんエンゲージメントして、受益者にも伝えてもらいたいです。
動画はこちらです。