約4年前に全て売却した、ひふみ投信を再び購入しました。
正確にいうと、当時持っていたのは「ひふみプラス」、今回はレオスに口座開設して直販の「ひふみ投信」の受益者になりました。
株価も天井に近いかもしれないこの局面で? ひふみ投信がこれだけ大きくなって今さら?とのツッコミを受けそうなので、ひふみ投信に対する心境の変化を書きます。(長いです)
ひふみプラスを買っていた頃(2012年~)
ひふみプラスを初めて購入したのは、5年前。
当時の自分はインデックス投資全開で、アクティブファンド=コストが高く使えないもの、という表面的な理解でした。ただ、ひふみの安定的なパフォーマンスにひかれ、あくまでインデックス投資のオマケとして、買い始めました。
当時のブログで「アクティブなのに信託報酬が安い」を第一に挙げているあたり、アクティブファンドを全く分かってない感があります。
(当時の記事)
・ひふみプラスをSBI証券経由で購入(2012.7.7) → リンク切れ
その年(2012年)の10月、岩城みずほさん主催のセミナーで、レオスの藤野英人さんの話を聞きました。
インデックス投資一本槍だった当時の自分は、藤野さんから漂うバリバリのアクティブマネージャー感に圧倒されつつ、「利益の成長と株価は長期的には連動する」「日本株が全てダメではなく、ダメなのは大企業」というデータを交えた話には納得した記憶があります。
(当時の記事)
・レオス・キャピタルワークス(ひふみ投信)藤野さんのセミナーに行ってきました(2012.10.25)
アベノミクス時の大企業シフトが理解できず全売却
ということで、カッコよく言えば「サテライト」の位置付けで、ひふみプラスに投資していました。
しかし、投資し始めて1年もしない2012年末の安倍政権発足前後、いわゆるアベノミクスの頃から、ひふみ投信マザーファンドのポートフォリオが大きく変わります。
円安が急速に進み、大型株、指数主導の相場に付いていくため、それまでの中小型株中心から、輸出企業・大企業中心の銘柄構成に180度転換します。上位銘柄はことごとく入れ替わり、売買回転率も上昇しました。
(ひふみの特徴 | ひふみ投信より「ひふみ投信マザーファンドの時価総額別構成比率の推移」)
その時の私の反応は、
「あれだけ大企業批判していたのに大企業に乗り換えるとは節操がない!」
「草食投資隊で長期投資とか言っているのに全然長期投資じゃない!」
というものでした。
これも、実はひふみ投信のことを正しく理解していない現れなのですが、当時は「言っていたこととやっていることが違う」と勝手に解釈し、2013年後半に全部売却に至りました。
ひふみ投信に対する考え方の変化
一方、ちょうどその2013年頃、鎌倉投信との出会いをきっかけに、「投資先を選ぶ」ことの大切さを意識し出し、徐々にインデックス投資からアクティブ派に転向していきました。
鎌倉投信のあと、コモンズ30ファンド、セゾン資産形成の達人ファンド、複数の日本株のアクティブファンドの積立なども始めました。
投資に対する考え方、個人のポートフォリオも大きく変わった2013年以降でした。
一方、ひふみプラスを処分して以降、レオスはフォローしていませんでしたが、自分の考え方の変化もあって、最近は昔とは違う視点でひふみ投信を見るようになりました。
きっかけが、カンブリア宮殿でのレオス・キャピタルワークスと藤野さんの特集、そして、藤野さんの本『投資家が「お金」よりも大切にしていること」です。
また、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』の「お金」と「会社」論は本質的だし、長期的に成長する会社への投資は「世の中をよくして、明るい未来をつくること」だという考え方にはとても共感します。
そういう視点から見直すと、過去の大企業シフトのように時には派手な運用をするのも、どんな相場でも「守りながらふやす」ため、顧客に安心して長期間お金を託し続けてもらうためのひとつのやり方だと思います。
藤野さんの言う、本当の意味での投資や長期の資産形成を日本で根付かせ、大きなお金の循環を作る、という大義があり、そのための運用プロセスだとようやく理解できました。
なので、ひふみ投信にまた投資することにしました。
昔は、「ポートフォリオの期待リターンを上げる」という視野の狭い動機でした。レオスの思想を理解せず、要はパフォーマンスしか見ていなかったわけです。
今回は、レオスが目指す、成長する企業への投資を通じて、世の中も個人も豊かになるような社会づくりに一顧客として参加したい、という気持ちが大きいです。
結い2101、コモンズ30、他にも日本株のファンドを持っていて、株価も大分上がってきているので、とりあえず積立は少な目です。
友人にはひふみ投信の受益者がたくさんいます。先輩がた、どうぞよろしくお願いします。