セルフ・リライアンスという生き方

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増資事件にからみ不動産鑑定士2名を国土交通省が処分

10/23付で、国土交通省土地・建設産業局が、不当鑑定を行った不動産鑑定士2名に対して懲戒処分を出しました。

不動産鑑定士に対する懲戒処分等について

処分理由は、かつてJASDAQに上場していた不動産会社「セイクレスト」(破産手続き中)の水増し増資事件(平成22年3月)にからむもので、簡単にいうと、第三者割当増資のために現物出資された山林を不当に高く評価した、というものです。

当時のニュースはこちら。

セイクレスト元社長ら2人を逮捕 山林の評価水増し容疑

セ社が増資直前の2月に買った価格が5.5億、鑑定評価に基づく増資額が20億と、1ヶ月で価格が約4倍となっており、常識的に考えてもオカシイですが、今回3年以上経って、当時の鑑定士の処分に至りました。国交省リリースによると、利用価値の低い山林を安易に宅地として分譲想定し、価格をつり上げたようです。

※ニュースでは「和歌山県白浜町の84,000m2の山林」とありますが、20億円÷84,000m2≒約8万円/坪となります。そこそこの別荘地の仕入価格ならまだしも、とても山林の相場ではありません。

処分は、1名が10ヵ月、もう1名が7ヵ月の業務停止となっています。評価書の中身や事件の経緯を知らないので、この処分が妥当なのかはコメントできません。

ただ、最近はこの手の第三者割当増資にからむ鑑定士の処分事例が多いようです。昨年も、破綻したNESTAGEの増資事件(バルク売りされた「かんぽの宿」関連)で、同様の処分がされたばかりです。こういう件があると「どうせ不動産鑑定士なんてお客の言い値を付けているだけ」という世間のイメージが強まりますね。

不動産鑑定士サイドとしては、、、

上場企業、しかも現物出資がらみの仕事を受けるときは、裏付け不動産の鑑定評価が企業の存続そのもの、そして株主の利益に直結するので、相当気を付けないといけないでしょう。

この件に限らず、そもそも不動産鑑定が求められるのは、「本当はコストをかけて鑑定なんて取りたくないが、制度上必要だから仕方なく依頼する」というケースが大半です。

その中には「とにかく安く(高く)評価してほしい」という要望や、鑑定を取る背景に不純な動機が隠れている場合もないことはないです。常に「依頼目的の確認」=「何のためにその鑑定評価書を使うのか」をハッキリさせてから仕事を受ける必要があります。

そして、そもそも論ですが、こういった違法行為の片棒を担がないためには、目先のたかだか数十万の報酬のために、ムチャクチャな評価を受けないこと、できない案件はキッパリ断ることに尽きます。自分だったら、5億そこそこの山林を20億で評価してくれと言われたら、怖くて受けられないと思います。