セルフ・リライアンスという生き方

自分も社会も豊かにできるお金の使い方について。日々の投資や寄付の記録を綴ります。

「ストック型士業」と「フロー型士業」

士業の仕事にも、他のビジネスと同じように「ストック型」と「フロー型」の業務があると考えています。

「ストック型」とは、定期的に固定の収入が入ってくるタイプの仕事であり、典型的なものは顧問業務です。

「フロー型」とは、個別の依頼に基づき、スポット的にその都度フィーをもらうタイプのコンサルティングや請負的な業務です。

一概には言えませんが、税理士や社労士などはどちらかといえば「ストック型」、行政書士や司法書士、不動産鑑定士などは「フロー型」ではないでしょうか。

もちろん、顧問報酬を受け取りつつ、個別の依頼も受ける弁護士のように、これらがミックスしている場合もあります。

「ストック型」「フロー型」限定では厳しい

かつては、どの資格も資格者数が今より少なく、日本全体が成長していたので、ストック型、フロー型どちらかに特化して従来型の典型的な業務だけをこなしていれば食べていけた時代でした。

しかし、資格者が飽和し、報酬単価が下落傾向にある中では、税理士であれば税務申告だけ、司法書士であれば登記だけ、という従来型の業務だけで売上拡大を目指すのは難しい状況です。

そのような中で、資格で独立開業して安定的に収入を上げるには、「ストック型」と「フロー型」の両方の仕事を取っていくことが求められると思います。

例えば、従来型の顧問報酬メインの税理士が、顧問先に対するコンサルで別途フィーをもらったり、スポット業務メインの司法書士が、顧問契約を取っていくことなどです。

これらは、すでに多くの事務所が目指していることですが、私の知っている限り、売上の柱にまでできている事務所は少数派だと思います。

ちなみに、管理人のケースの場合、不動産鑑定士としては珍しく、顧問業務的な固定のアドバイザリー報酬を複数の法人から頂いており、スポットの不動産評価業務と固定の顧問業務の売上割合はおよそ1:1です。

不動産鑑定士は、ある程度固定収入が見込める国や市町村からの公的業務をやっている人は多いものの、それらも依頼に応じてフィーをもらう広義のスポット業務と考えれば、自分のような売上構成の人は少ないと思います。

複数の収入源を持つために

ストック型士業がフロー型ビジネスを手掛けること、またその逆は、収入パターンの多様化につながり、特に小規模な士業事務所にとっての課題である収入の平準化とリスク分散の点で重要です。

では、どうしたらストック型士業がフロー型業務を開拓し、また、フロー型士業がストック型の仕事を取れるようになるのでしょうか。

税理士が顧問先企業に対して「経営コンサルティングもやります」とか、司法書士が登記の依頼者に対して、「弁護士より安いので法律顧問をやらせてください」と、むやみにアピールしても、「そんなモノは先生には求めていません」と言われるでしょう。

やはり、ポイントになるのは、同業の他資格者にはない得意分野を持つことです。

そして、得意分野の基礎になるのは、開業以前の会社員時代や実務修行時代の経験の中で得た、特定の業務分野でのノウハウと人的ネットワークです。

私の場合であれば、REITなどの証券化物件に関わる評価経験や、不動産ファンドでのアセットマネジメント業務経験、さらには前職でお世話になった人たちのつながりが、従来型の鑑定業務以外のストック型業務につながっています。

将来的に資格で独立開業を視野に入れている方は、「ストック型」と「フロー型」という点から、各資格の仕事内容や、独立後のイメージをふくらませてみるのも大事ではないでしょうか。