セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

「いい会社の理念経営塾」#4(鎌倉投信・鎌田さん)に行ってきました

NPO法人いい会社をふやしましょう主催の、「いい会社の理念経営塾」で、結い2101を運用する鎌倉投信の鎌田社長のお話を伺ってきました。

今回の「理念経営塾」は、「組織を動かす"ふつう"の人たち」をテーマにした全5回のシリーズで、昨日はその第4回です。 去年の7月頃に結い2101に積立を初めて以降、鎌田さんとはコツコツ六本木でご挨拶した程度で、きちんとお話を聴くのは初でした。

・金融機関の一サラリーマン(ふつうの人)だった鎌田さんが、なぜ、どのような志で鎌倉投信を立ち上げたのか

・成功している経営者やリーダーたちから学ぶべきことは何か を中心に、話が進みました。

●鎌倉投信とその志について

・サラリーマン時代は「何のために働いているのか?」という自問自答の日々だった。金融の世界での知識やスキルは付いたが、精神的には満たされなかった。

・2008年に外資を退職当初は、金融を離れて漠然と社会貢献に関わりたいと考えていたが、「日本でいちばん大切にしたい会社」という本に出会い、「志を持っている人を金融を通じてサポートしたい」という想いに行きついた。

・鎌倉投信はやっと黒字化が見えてきた段階で、まだ成功しているとは言えないが、もし将来「成功した」と言われるとしたら、その要因は・・・
*事業を始める前に「何のために」やるのか徹底的に考え、議論したこと
*「誰とやるのか」も大事。たまたま理念を同じくする最高のメンバーが揃ったこと
*タイミング。リーマンショック前に退職し、リーマンショック後の、後は良くなるだけの局面で始められた。(今となっては偶然ではなく直感に従ったのだと思う) など。

・周囲の人たちから「無理」と言われる分野にこそチャンスがあるかもしれない。  
 既存の常識を疑うことが成功の前提となる時代となった。 鎌倉投信も、当時低迷している日本株で、直販の形態、しかも鎌倉に本社を置いて「いい会社」に投資すると言ったら、同業他社には無謀と言われ、銀行も相手にしてくれなかった。

・鎌倉投信が目指すこと
*投資家のお金を守り、「いい会社」であり続ける限り応援し続ける
*いい会社を多くの人に知ってもらう
*信頼に根差したお金の循環(つながりのあるお金の流れ)をつくる

・海外から、日本独自の和をベースとした新しい金融のかたちを具現化した日本株ファンドとして認めてもらうことが夢。 結い2101の運用目標としては、黒字化(間もなく実現見込み)に加えて、受益者3万人(現在約8,000人)を掲げている。

●成功している経営者から学んだこと

・成功した経営者は決して天才ではない。平凡な人が平凡なことを“非凡に”やり続けたことが成功につながっている。

成功している人はみんな「自然体」。自分を誇示せず無理をしないありのままの状態が、環境変化にもブレない強さを発揮する。

会社はトップの器以上には大きくならない。上に立つ人は徳がないといけない。
 徳を積むためには自分のためではなく「人のために」時間を使うこと

・いい会社の経営者の共通軸とは・・・
<使命感>・・・自分の役割、何のために生まれてきたかを理解しているのでブレない
<学び続ける>・・・自分の知っている自分は全体の5%?。潜在的には無限の可能性がある 
<謙虚>・・・常に感謝する、辛いことも含めて有りがたいと感じる
<愛>・・・自分も他人も愛する、優れた経営者は「人のため」ということすら意識しない
<行動で語る>  鎌田さんは、今日一日を振り返る、社員に心をこめて声をかける、その日のうちに手紙を書く、といったことを心がけているそうです。

・まとめはガンジーの言葉でした。  
「世界に変化を望むのならみずから変化となれ」
「明日死ぬかのように生きよ、永遠に生きるかのように学べ」

質疑応答では、「どういう領域に達したら鎌田さんは成功と思いますか?」との質問に、次にやりたいことが見つかるときではないか、人生は「何のために生まれてきたのか」を探求する旅のようなもの、との深い言葉もありました。

単なる経営論、起業論にとどまらず、鎌田さんの「人生講義」「生き方論」として1冊の本にできそうな中身の濃いセミナーでした。 熱心にメモを取る人が多かったのも印象的で、自分も自らを振り返って考えさせられることも多かったです。

投資の目的はお金をふやすことです。 ただ、投資の過程で、運用会社の方々とのコミュニケーションや、経営者の話を聞くことを通じて、「生きていく上でのヒント」、というと大げさですが、生活や仕事上の前向きな気づきを得られる面もあるでしょう。

鎌倉投信は、直販投信の中でもそういう機会をたくさん設けてくれます。 以前は、鎌倉投信のどこがそんなにいいのか、全く理解できませんでした。 しかし最近では、運用パフォーマンスの良さ(低リスク+シャープレシオの高さ)ももちろんですが、多くの人が支持し、コミットしたくなるそれ以外の部分が分かってきた気がします。

運用会社や投資先企業とのつながり感や受益者間の一体感だったり、うまく言いにくいのですが、自分のポートフォリオの一つでありつつも、純粋な個人の資産運用の範疇を超えた部分の魅力でしょうか。

ということで、今年は9月の受益者総会にも参加することにしました。

「結い 2101」第5回受益者総会のお知らせ