セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

石坂産業・石坂典子さん講演「いい会社の理念経営塾」#5

NPO法人いい会社をふやしましょう主催の、<『いい会社の理念経営塾』-組織を動かす"ふつう"の人たち>の第5回セミナーに行ってきました。

今シリーズの最終回は、埼玉の産業廃棄物処理・リサイクル会社、石坂産業の石坂典子社長でした。

産業廃棄物を資源に!埼玉県三芳町の産業廃棄物中間処理場・石坂産業株式会社

石坂さんは、ダイオキシン問題でマスコミや地元からバッシングを受けている最中の2002年に、創業者の父から会社を引き継ぎました。

女性では絶対無理と言われる男社会の廃棄物処理業界で、ほんの10年ちょっとで、環境と共生したリサイクル事業の新しいモデルを確立し、今では国内外から多数の見学者を呼ぶまでに会社を変えた経営者です。

まず驚くのはその容姿。ロングの巻き髪にワンピース姿で、業種のイメージとは真逆です。

雑誌ゲーテの企画で滝川クリステルさんがインタビューした写真付き記事がありました。内容も昨日の講演に近いので、ご興味あればご覧ください。

石坂産業 代表取締役 社長 石坂典子 常務取締役 石坂靖子│滝川クリステル いま、一番気になる仕事|連載|WEB GOETHE

お話を聞いて一番感じたのは、強い信念で人を変え、社会を変えていく経営者の強さ、というか凄みです。

その信念とは、廃棄物処理に対する世間の評価と意識を変えたい、この業界で働く人が誇りを持てるようにしたい、という想いです。

 

石坂産業では、解体後の住宅のガラなど、建築系の廃材を多く扱っています。

人々が住んでいた家を処理し再生しているのに、地元にリサイクル工場ができるというと、ほとんどの住民が反対するのが現実です。このような現実を変えたい、というお話もありました。

工場見学での「見せる化」、社員や取引先の意識改革、作業環境改善、処理ラインのシステム化、ISOやJHEP認証取得、森林再生・・・

これらの取り組みは、全て一つの信念のもとにつながっていることもよく分かりました。

前回の鎌倉投信鎌田さんのお話に通じますが、社会的課題を解決できるような新しいビジネスモデルを創り出す人々に共通するのは、信じたことをあきらめずとことんやり続けていること、だと思います。

自分のような一般人から見たら、みなさん凄いことをやってのけているのですが、ご本人達は現状に全く満足しておらずもっと上を見ている、という点も共通しています。

同NPOでは、昨年に続き、今年も10月頃?に石坂産業さんの見学ツアーを企画されるそうです。一度お邪魔してみたいです。

さて、今回の「いい会社の理念経営塾」は、鎌倉投信つながりで、最後の2回だけ軽いノリで参加したのですが、実際参加してみると、社会を変えたいと行動している方々の話は想像以上に奥深いものでした。

「自分は社会とどう関わり、社会のために何ができるのか?」という根源的な問いを、ほんの少しですが考えてみるきっかけになりました。

自分個人として、当面できることは、シンプルですが、今の仕事を一生懸命やること、投資を通じてこのような会社を応援していくこと、そしてまわりの人に、「こんなすごい会社があるよ」と伝えることかな、と思います。

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