セルフ・リライアンスという生き方

自分も社会も豊かにできるお金の使い方について。日々の投資や寄付の記録を綴ります。

「東京の森展・東京の森night」に行ってきました

株式会社東京・森と市庭(いちば)主催の、「東京の森展・東京の森night」に参加してきました。

会場は代々木上原のCASE gallery。  



東京・森と市庭は、鎌倉投信が社債を保有している株式会社トビムシも出資し、2013年に設立された会社です。
今回はトビムシの代表でもある竹本吉輝さんのお話もあるということで行ってきました。

==== 第一部は、「世界の森と東京の森」とのテーマで、代表の竹本さんから、世界の中での日本の森林・林業の位置付けと課題についてのお話。

「日本は国土の約7割が森林」というのは子どもの頃にも教わります。ただ、カナダや北欧など世界の森林大国と、日本の森林はどう違う?と聞かれても答えられる人は少ないと思います。

日本の森林は、プレート変動で隆起した山々から成ります。「山林」という言葉の通り、日本で森といえば=山、です。欧米のように、平坦ではないので、伐採や搬出に手間がかかり、林業の合理化が難しい面があります(=高コスト)。

高度成長期には、急増する住宅需要に国内生産が追い付かず、海外から安い木材が大量に輸入されました。(知らなかったのですが、木材の関税は昔からゼロだそうです)
これが木材価格の下落を招き、皮肉にも、戦後に植林した木々が収穫期を迎える今になって、切っても儲からないので、放置林が増える一因になりました。



適度に間伐されなくなった放置林は、光が地面まで届かないので、木は縦に細く伸びるだけで、横に太りません。間伐されていない暗い森と、手入れが行き届いた明るい森の写真を見比べると、こんなにも違うのかとよく分かります。

このような現状を変えるキーワードとして、「関係性のリデザイン」という言葉が示されました。
概念的ですが、森林再生を通じて、希薄化した、地域と都市、生産者と消費者、地域住民同士、の様々な関係性をもう一度構築しよう、という考え方です。


第二部は岡山の西粟倉村で家具作りをされている、木工房ようび代表の大島正幸さんのお話。
去年秋のガイアの夜明けで拝見したのですが、実際もとても熱い方でした。

大学で建築を勉強した後、家具工房で丁稚奉公を始めてから、西粟倉に移住してヒノキの家具を産み出すまでの歩みを話されましたが、森と家具への想いと情熱が伝わってきました。

そもそも木材にはハードウッドとソフトウッドがあること、ソフトウッドであるヒノキで家具を作るのがどれだけ大変か、ということも知りませんでした。

ヒノキは、日本人には身近ですが、台湾から福島ぐらいにしか生息していないそうで、逆に考えると世界的にとても貴重で、日本の強みになり得る樹種です。

最近は、かのSANAAの設計した岡山大学のJテラスカフェに木工房ようびの家具が採用されたり、海外にも販路が拡大しつつあるそうです。

木工房ようびと大島さんの歩みについて、こんな記事もご紹介。
昨日のお話とも重なるところが多く参考になります。

木工房ようび 地域の風土と職人の技術によって生まれた、白くて軽くて香り高いヒノキの家具|岡山県 英田郡西粟倉村|「colocal コロカル」ローカルを学ぶ・暮らす・旅する

一番印象的だったのは、日本の家具にも北欧的な「経年良化」の価値を入れたいという話です。
経年「劣化」という言葉は不動産の世界でも当たり前ですが、持ち主が長く使い続け、年数が経つほど価値が上がる、というのは確かに日本の消費文化には欠けている視点かもしれません。


第三部の懇親会「森の恵みディナー」では、奥多摩の地酒や地ビール、鹿肉や地元の食材が、参加費3,000円でこんなに出して大丈夫?ぐらいたくさん振る舞われました。



私は群馬の前橋出身で、赤城、榛名、妙義という山々を毎日見ながら育ちました。
その割には、田んぼや畑、農業と比べると、森林や林業は近くて遠い存在で、実はほとんど何も知らないな、ということに改めて気づきました。

竹本さん達の目指す、森林と地域再生のあり方が(まだ何となくですが)つかめました。百聞は一見に如かず、ということで、次は奥多摩にもチャンスがあれば行ってみたいです。