セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

鎌倉投信「結い2101」運用報告会(2015年4月)

4/11に、鎌倉投信本社で行われた「結い2101」の運用報告会に参加しました。

結い2101は、3月でファンド運用開始から5年経ったということで、直近1年に加えて、5年間全体を振り返る報告会でした。

運用責任者の新井和宏さんより、2時間近くたっぷりと説明とお話がありました。
以下、備忘メモです。

以下の数字は、2014年3月末と2015年3月末の比較です。

・純資産総額  
 83.98億 → 140.21億

・顧客数  
 7,256人 → 9,089人(うち定期定額 5,760人)

この1年で、ファンドの規模は約67%、顧客数は約25%増加。
いわゆる積立(定期定額)の投資家は全体の約6割強。

・組入企業数 
 46社 → 51社(うち非上場6社)
 昨年の受益者総会以降、新たに「日本環境設計」(非上場)と「カヤック」を組み入れ。

・資産構成
 株式 55% → 64%
 現金 42% → 33%

・ポートフォリオ
 基本は等金額ポートフォリオですが、アニコムホールディングス、アイ・ケイ・ケイなどは、株価の上昇ペースがリバランスを上回っていて、やや比率が高くなっています。それでも各1.9%程度です。

・リスクとリターン
<設定(2010年3月29日)~2015年3月末まで>
年率換算リターン11.2%、リスク8.8%、シャープレシオ1.27
※同期間のTOPIX:リターン9.7%、リスク19.9%
モーニングスターの総合レーティングは、3つ星から4つ星に上昇。

ただし、直近1年では、特に年度後半の黒田緩和第2弾&GPIFポートフォリオ見直し決定以降、完全な大型株相場となり、パフォーマンスでは置いていかれています。

<2014年4月~2015年3月末>
リターン15.1%、リスク4.5%

ここ1年は「安定的に右肩上がり」な(=ボラティリティ―が小さい)相場環境だったため、リスクは「結い2101」の目標(年10%)よりもかなり低いです。
そのため、株価自体は上昇したものの、運用方針どおり、ファンドとしては株式比率を増やしてきました。

新井さんによれば、日本株が今の水準からさらに上がった場合、短期的には反動で大きく下落する可能性があるため、預り資産の大きな目減りを防ぐ観点から、期間限定でTOPIXの先物をショート(売建て)することを検討するかもとのことでした。

一方で、TOPIXの売建で、小型株も多い「結い2101」のポートフォリオに対するヘッジ効果がどこまで期待できるのか、さらに、このヘッジ措置が恣意的に行われないような一定の基準(投資先の企業価値と株価の乖離率等)の設定など、・・・シミュレーションも含めた検討が必要とのことです。

本当に実施する場合には、「結いだより」などで詳しく説明があるでしょう。
受益者の声を広く聞いて考えたい、と新井さんも言っていました。
個人的には、新井さんの考えていることはよく理解できますし、運用会社を信頼して投資をしているので、鎌倉投信が決めることには基本的に賛同します。

報告会の後半では、投資先企業にまつわる最近のトピックや、今年予定している「いい会社訪問」(投資先企業の見学ツアー)、9月の受益者総会の話など、盛りだくさんでした。

鎌倉投信の運用報告会は、少人数なので、ざっくばらんに意見交換というか、雑談できるのもいいところです。
(私が参加した午後の部は定員20人ですぐ埋まってしまい、新井さんは追加設定した当日の午前とダブルヘッダーでした。丁寧にコミュニケーションしてくれる姿勢には感謝です)

受益者以外の方には内輪ネタになってしまいますが、受益者同士では、ファンドのパフォーマンス云々よりも、「どこの会社を見に行って感動した」とか、「どこの社長さんの話が素晴らしかった」とかいった話題で盛り上がっています。

衣料品やプラスチックのリサイクルの分野で革新を起こしている、「日本環境設計」の岩元社長の話はぜひ一度聞いてみたいところです。
あとは、奥多摩の「東京・森と市庭」へも定期的なツアーを企画しているそうです。

受益者総会は、昨年に続き参加予定で、すでに京都のホテルも予約しました。
今年は受益者10,000人、総会参加者1,000人を目指していて、大きな会になるでしょう。

ちなみに、4/17には、ダイヤモンド社から、ファンドマネージャー新井さんの著書が出ます。
報告会の席で、現物を見せてもらいましたが、字も大きめでとても読みやすそうです。
「いい会社」への長期投資って何?という方はぜひ手にとってみてください。

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