セルフ・リライアンスという生き方

自分も社会も豊かにできるお金の使い方について。日々の投資や寄付の記録を綴ります。

SIB(ソーシャルインパクトボンド)の特集(NHK国際報道2016)

昨夜のNHK BS1の「国際報道2016」で、SIB(ソーシャルインパクトボンド)の特集をやっていました。

本家イギリスでの、若者就労支援分野でのSIBを取材したレポートでした。
15分程度でしたが、実際のプログラムの様子や、当事者のインタビューも多くて分かりやすかったです。

内容が詳しく載っていますのでご興味あればどうぞ。
財政を救う切り札?ソーシャル・インパクト・ボンド最前線 | 国際報道2016 [特集] | NHK BS1

イギリスでは、ニートや不登校の若者が100万人もいて、将来の生活保護費増大などに歯止めをかけるべく、SIBを使った就労支援事業に取り組んでいます。(他にも、再犯防止プログラム、ホームレス支援、児童養護分野などさまざまなSIBの実績あり)

SIBでは、税金ではなく、民間投資家のお金で、ノウハウを持つNPOなどが事業を実施します。
就労支援事業の例では、プログラムの成果が上がって若者の就労が増えることにより削減された(であろう)行政コストの中から、投資家にリターンが払われる仕組みです。

番組で感じたポイントを3つ。

・投資家が公共サービスに関わるメリット
 SIBは成果報酬なので、投資家は設定された社会的インパクト指標を達成すべく、事業に積極的に関与します。
 結果的に、税金で同じサービスをやる場合よりも、高い成果が期待できます。番組では、リヴァプールの就労支援事業で、投資家の提案で対象年齢を引き下げ、効果をあげた話が紹介されていました。

・成果に応じた適正なリターン設定
 投資家としては、どういう成果(社会的インパクト)があがった場合に、どの程度のリターンが支払われるか決められていないと、投資判断できません。
 イギリスの若者就労支援事業では、プログラムへの生徒の出席回数、授業態度の改善、取得した資格・・・などに応じて細かくリターンが設定されていました。民間のお金をSIBに呼び込むには、納得感のある成果指標とリターン設定もポイントです。

・国のバックアップ
 イギリスでは、財政コスト削減のために、SIBに本腰を入れています。2014年から、SIBによる利益に対する課税を最大30%減税しているとのこと。立法、税制面での国の本気度も必要です。

ところで、番組ではSIB=「社会的貢献投資」と説明していました。
11月に参加した日本財団のセミナーでも、名前が分かりにくいとの指摘がありました。いっそのこと「SIB」のままでいいのではないでしょうか?

【関連記事】
ソーシャルインパクトボンド(SIB)のセミナーに参加しました(その1)

日本も貧困対策などの社会的課題は山積みなので、SIBのニーズはあります。
個人でも投資できるSIB債(SBI債と紛らわしいですが)とか、SIBファンドみたいなものが出てくれば面白いと思います。社会的意義に着目する個人は増えいていますので、需要はあるでしょう、

ただ、金融商品化するには、やはり、社会的インパクトの測り方と、リターン設定が難しそうです。
11月のセミナーで、日本財団の工藤七子さんが言っていましたが、「行政コスト削減」にフォーカスするあまり、本来の社会的課題解決という目的がぼやけてしまうおそれもあります。海外の実績もうまく取り入れてもらいたいです。

SIB全般については、こちらに情報が豊富です。
ソーシャルインパクトボンドジャパン / Social Impact Bond Japan