セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

かものはしプロジェクト2016年総会に行ってきました

3月にサポーター会員になった、認定NPO法人かものはしプロジェクトの総会に参加しました。

総会は、正会員やサポーター会員向けに年1回開かれている活動報告会です。



本総会の大きなテーマは2つでした。
第一に、カンボジア事業をかものはしプロジェクトから切り離し独立させるという決断について、そして、二つ目は、今後の事業の柱となるインド事業の状況についてです。

●カンボジアCF事業の独立

カンボジアでは、貧困農村の女性達に対する所得向上のためのコミュニティファクトリー(CF)事業を拡大してきました。今までに150人の農村女性が巣立ち、今でも70人が働いていて、成果を挙げています。

一方で、カンボジアの経済発展や制度整備によって、2010年頃から児童買春目的の人身売買被害は大きく減り、かものはしの「子どもを売らせない世界をつくる」という目標はほぼ実現しました。

この現状を踏まえ、共同代表青木さんより「子どもを売らせないため」ではなく「ものづくりを通じた貧困農村の人づくり」へとCF事業を進化させ、その上で、2018年以降かものはしプロジェクトから別法人として独立させるとの発表がありました。



かものはしと言えばカンボジア、なので、古くからの支援者さんは戸惑いもあるようですが、あくまで「子どもを売らせない世界をつくる」というミッション志向を貫いた結論なので、応援する声が多かったです。

カンボジアのCF事業は、フェアトレードという点でも興味を持っています。新ブランドSUSUも立ち上がり、クラウドファンディングにも参加しました。今後も応援したいです。

途上国発ブランド「SUSU」で、カンボジアで頑張る農村女性を応援(青木健太(かものはしプロジェクト共同代表)) - READYFOR (レディーフォー)

●インド事業の現状と今後

カンボジアに代わり注力しているのが、2012年に始めた、インドでの児童買春・人身売買をなくすための事業です。

インドでは、被害者(サバイバーと呼びます)も参加して、州をまたぐ人身売買の取締り・裁判や被害者救済の仕組みづくりを行ったり、ダンスを通じたサバイバーの心理回復プログラムなど、現地のNGO、弁護士、各分野の専門家とパートナーシップを組んで活動をしています。

インドはカンボジアとは国土も人口も比較できない大国です。州をまたいで人身売買犯罪が発生する(西ベンガル州で買われ、ムンバイの売春宿に売られる)ため、農村で子どもを買い付ける「トラフィッカー」が野放しになっています。
警察、裁判所が州ごとに縦割りの中でハードルは大きく、最終的には中央政府を動かす必要がありますが、今年6月に人身売買を包括的に取り締まる法案が公表され、明るい兆しも見え始めたとのこと。

一方で、今後は、仕組みづくりと同時に、目の前のサバイバーの生活支援、心のサポートにも目を向けていきたいという方針が示されました。カンボジアでの経験を活かして頑張ってもらいたいです。





●感想

NPOの総会は初めてでしたが、事業の内容や今後の活動方針について、分かりやすく丁寧に説明してくれる姿勢に共感しました。直接詳しく聞くことで事業の中味もより理解できました。
青木健太さん、村田早耶香さん、本木恵介さん、3人の共同代表の設立間もない頃の苦労話などもあって面白かったです。

どこのNPOも、活動報告書などは出していますが、かものはしのように、直接リアルの場で説明する機会を設けている団体は少ないです。

もし同じ事業をやっているNPOが2つあるとしたら、自分なら、寄付の使い途についてきちんと説明し、積極的に対話してくれる団体を選びます。これは、投資信託や企業に対する投資と同じです。

他のNPOも、形式的なものではない、今回の総会のようなオープンな事業報告イベントを年に一度ぐらいはぜひやって欲しいです。

せっかくの機会、カンボジアのファクトリーで女性達が作った、カラフルない草名刺入れも買いました。