セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

フェアトレード・コンシェルジュ講座 第6回・AFRIKA ROSE代表 萩生田愛さん

フェアトレードとエシカルな消費を学ぶ、全8回のエシカル協会のフェアトレード・コンシェルジュ講座も6回目です。
ゲストは、ケニアのバラを輸入し販売している、「アフリカの花屋」(AFRIKA ROSE)の代表、萩生田愛さんでした。

起業に至るまでの道のりやケニアのバラに込めた想いをお聞きしました。



AFRIKA ROSE起業の想い

萩生田さんは、米国留学時代に、「模擬国連」への参加などを通して、貧困問題への関心を持ちました。その後、大手製薬会社に入社したのですが、2011年に、もともと関心があったアフリカにかかわりたくて、NGOの学校建設ボランティアでケニアに渡りました。

ケニアでは、貧困と格差の現実を目の当たりにすると同時に、現地の人たちが援助漬けで自立が阻害されている実態を知りました。「上から与える援助」ではなく、「対等な立場」でビジネスを通した貢献が必要と気づきました。

その頃出会ったのが、現地のバラです。
ケニアのバラは、日本の品種と異なり、「持ちが長い」「サイズが大きい」「模様が個性的で珍しい」という特徴があります。初めて見て一目ぼれしてしまったとのこと。日本の国内産に比べて、大きさは1.5~2倍です。赤道直下で日照時間が長く、高地で寒暖差の大きい気候が強くて大きいバラを生みます。

実際に、ケニアはバラの輸出大国ですが、ほとんどがヨーロッパ向けで、日本には全体の1%未満しか輸出されていませんでした。そこで、「ケニア産のバラを日本に広めよう!」と起業を決意。
2012年にネット販売を開始、2015年にはクラウドファンディングで広尾に直営店をオープンしました。

「アフリカの花屋」のビジネスモデル

萩生田さんは、ケニアの人たちの生命力や表現力、現地の豊かな自然、といった、日本人が経済的に豊かになるとともに失ってしまった豊かさを、バラを通して日本に届けようとしています。

一方で、日本の顧客がバラを多く買うことで、ケニアの人たちに働く喜びや、学校に通って学べる喜び、夢を持つことの尊さを届けることができます。
この生産者と買い手の間の循環を「LOVE ECOSYSTEM」と表現されていました。アフリカの花屋のバラ一本一本には、こうしたストーリーが詰まっています。

個人向けのオンラインと店舗での販売、フラワーアレンジメント教室の運営に加えて、最近は、こうしたストーリーに着目した法人需要も増えています。受付や展示会での装飾や、企業CSRとのコラボです。LEXUSやアルファロメオのノベルティにも採用されました。

もちろん、フェアトレードにも配慮したバラです。仕入先である現地のバラ農園は、児童労働や劣悪な労働環境を排除しているのは当然ですが、手厚い福利厚生制度を設け、待遇も高めです。減農薬や排水の浄化処理など環境にも配慮しています。

農園の従業員数も、2012年の150人から2015年には1,500人と10倍に拡大。花は生もので在庫を持てないので、当初は500本という少ロットでの発注でしたが、今は月5,000本に増えています。
「アフリカの花屋」の知名度をもっともっと上げ、売上を増やして生産地にも貢献することを目指しています。

花を贈る文化をもっと身近に

セミナーの最後に、AFRIKA ROSEでフラワーアレンジメントスクールを担当している、フラワーデザイナーのHide Tanakaさんの進行で、「女性はどんな風に花をもらったらうれしいか?」「男性は女性がどんな反応だったらうれしいか?」というテーマでディスカッションしました。

言われてみれば、会社の送別会や母の日など以外に、なかなか、面と向かって花をあげたりもらったりする機会は少ないものです。

アフリカの花屋のケニアのバラのように、商品にストーリーがあると買いやすいという意見や、あまりかしこまらず、ケーキを買って帰るぐらいのノリで花もあげられたらいいですね。
広尾のお店は近いので、今度行ってみます。

エシカル協会さんの開催レポート。当日の写真もアップされています。
フェアトレード・コンシェルジュ講座第6回目開催!