セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

鎌倉投信の「いい会社訪問」 トビムシ IN 飛騨(その2) オークヴィレッジ

鎌倉投信の「いい会社訪問」IN 飛騨。前回の続きです。

(前回記事)
鎌倉投信の「いい会社訪問」 トビムシ IN 飛騨(その1・飛騨産業)

飛騨産業に続いて、同じ高山市内の清見にあるオークヴィレッジ本社に向かいました。

●オークヴィレッジ

オークヴィレッジは、1974年に稲本正・現会長をはじめ立教大学のOBが、高山に移って家具工房を作ったのが始まりです。高山本社のほか、東京の自由が丘に直営店があります。





ご案内頂いた佐々木一弘さん。
オークヴィレッジは、家具だけでなく、建築、小物、おもちゃなど、木を使って作れるものは全部作っています。国産材、特に国産の広葉樹にこだわって、仕入、製材から設計、製造、加工、販売まで自社で行っている数少ない木工会社です。



オークヴィレッジの3つの理念です。
「100年かかって育った木は100年使えるものに」
「お椀から建物まで」
「子ども一人、ドングリ一粒」

100年以上の長い年月をかけて育った木から、100年後も使い続けられるモノを、匠の技術で受け継いでいく、持続可能な循環型ビジネスモデルを実践しています。



持続可能な森をつくり受け継いでいくには、技術の伝承と人づくりが重要です。木工職人の育成はじめ木に関する総合教育を行う「森林たくみ塾」を1991年から運営しています。佐々木さんも塾のOBだそうです。

飛騨の森は7割が広葉樹です。オークヴィレッジは、創業以来、国産の広葉樹を活用してきましたが、日本全体でみると、家具生産は輸入広葉樹に頼っていて、国内の広葉樹はチップやバイオマス発電等の副次的な利用がメインとなっています。

そこで、規格外の広葉樹を木材として製品化し、地域の森林資源をモノづくりを通して循環させる取り組みを、林業者、製材業者と組んで始めています。岐阜県の本巣市(根尾)、島根県浜田市でプロジェクトが動いています。
Neo Woods 根尾の広葉樹活用プロジェクト



(参考)国内の広葉樹が木材として活用されてこなかった背景について、分かりやすい記事がありました。
『雑木』に未来はあるか 一般社団法人岐阜県林業経営者協会

針葉樹であるスギは50~60年で育ちますが、広葉樹は木材として使えるまでに150年~200年以上もかかるため、国内には優良な木が少なくなってきています。敷地内には、樹齢300年ものの貴重なミズナラなどが保管されていました。このいい木を目当てに個人のお客さんも来るそうです。



ショールーム内の広葉樹のサンプル。広葉樹といっても樹種によって特徴はさまざまです。「適材適所」で、部材ごとに合った木を活かしています。



飛騨の伝統的な曲木や木組の技術も強みです。木造建築事業のさまざまな技法をサンプルで説明してくれました。





創業まもない40年前の1976年に分校を移設して作った工房。歴史を感じます。当時の雰囲気が伝わる写真も。





製材所。



ショールーム。










標高は高いので日差しは強かったですが空気が爽やかでした。山あいの緑に囲まれた環境で、木の温もりにたっぷり触れたオークヴィレッジ訪問でした。

「いい会社訪問」ツアーの最後は飛騨古川のFabCafeへ向かいました。
→ 鎌倉投信の「いい会社訪問」 トビムシ IN 飛騨(その3) FabCafe Hida