セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

鎌倉投信・第7回「結い2101」受益者総会(その1)

9/10に、横浜の大さん橋ホールで、鎌倉投信の7回目の受益者総会が開催されました。
昨年の京都に続いて、受益者兼運営ボランティアとして参加させて頂きました。

第7期の「結い2101」の運用報告の後、第一回総会以来の登壇となった、法政大学・坂本光司教授の基調講演と、投資先の若手経営者の想いを聞きました。


(開場前の会場)

●結い2101・第7期決算報告

第7期(2015/7/21~2016/7/19)の主要データです。

・純資産総額 184億円 → 239億円(+30%)

・口座開設者 12,405人 → 16,098人(+30%)

・今期の新規組入企業は11社
(ユーグレナ、浜松ホトニクス、シマノ、スノーピーク、サイボウズ、マイファーム、マザーハウス、LITALICO、テラ、ダイニチ工業、かどや製油)

・期中のリスク増に合わせ、現金比率は期首:35%→期末:44%にアップ。

・基準価額と簿価の乖離率は現在+15%程度。
※結い2101は、割高買いを防ぐため、乖離率が+20%以上になったら株式比率を減らすリスク管理手法を導入しています。

リターン ▲7.7%(同時期TOPIXは▲20.5%)
 直近1年で株価は下がっているが、投資先企業の価値である業績(純資産+配当)の増加率は、結い2101の目標リターン(コスト控除前5%)を上回って推移している。今は我慢のしどころ。

売買回転率は約57%(前期は約71%)と低位安定。第7期分配金はなし。

今回は、初参加という方が半分近くいたようです。
最近の受益者数の増え方を見ると、新井さんが出た昨年5月のNHK「プロフェッショナル」放送後の株価の高い時期に口座開設して、今はマイナスという受益者も多いと思います。

ボランティアを一緒にやった人の中にも、投資経験はほとんどなく、初めて鎌倉投信という人もいました。そのあたりも念頭に、例年より丁寧に説明していた印象です。




●投資先企業へのアンケート結果

鎌倉投信は、本当に投資先企業にとって役に立っているのか? 
「セカンダリーで買っているだけでは、自分のお金は企業に届かないのでは?」という受益者の素朴な疑問を受けて、投資先企業にアンケートを行った結果が公表されました。

投資先への質問は3つ。
・鎌倉投信が役に立っていると感じること
・今後鎌倉投信が投資先企業の役に立つために期待すること
・役に立っていると感じた事例

多かったのは、「安定株主として長期保有してもらえる」「短期的な業績に左右されず保有してもらえる」という回答。

セカンダリーであっても、買った瞬間から鎌倉投信はその企業の株主になり、いい会社である限り保有し続けます。新井さんの言葉を借りれば、鎌倉投信は、お金を託す受益者の代弁者として、企業の社会価値を高めるために企業と対話し、ともに歩んでいく存在です。

したがって、投資先企業と鎌倉投信の利害は基本的に対立しません。ショートターミズムが跋扈する時代に、目先の利益や配当を要求することなく、長い目で支えてくれる鎌倉投信のような存在は、企業が長期的な視点で課題に取り組むうえで心強いことでしょう。
以前、マザーハウスの山崎さんも同じことを言っていました。

鎌倉投信の「いい会社訪問」(マザーハウス・山崎大祐さん講演)


ほかに多かったのは、鎌倉投信が保有すると、外部投資家や、顧客、取引先からの信頼や評判がグンと高まるという意見。鎌倉投信の投資を受ける=「いい会社」のお墨付きです。

もちろん、鎌倉投信のいい会社選びが100%絶対ではありませんし、投資判断上(株価水準など)、鎌倉投信的にいい会社でもまだ組み入れられていない企業もあるでしょう。
ただ、キャッシュを除いても、すでに150億規模のお金が60社に行きわたり、投資先企業の内外から評価されているのは事実です。いい会社が増え、社会がよくなっていくために、受益者のお金は役に立っています。

投資先企業の声を受益者に届けてくれる、いい試みだと思いました。

後半に続きます。

鎌倉投信・第7回「結い2101」受益者総会(その2)