先日「三井住友・中小型株ファンド」の運用報告書をチェックしましたが、決算時期が近い「朝日ライフ SRI社会貢献ファンド」も最新(第16期)の運用報告書が出ています。
早速確認しました。
朝日ライフSRI社会貢献ファンド(あすのはね)第16期の基本データ
決算日:2016年9月20日
・基準価額
9,949円(15期末 10,066円、△1.2%)
同期間の参考指数(TOPIX):△7.7%(ただし配当抜きです)
分配金はなし。
・純資産総額
3,359百万円(15期末 3,243百万円、+3.6%)
・株式比率 96.5%(15期末 97.5%)
・売買高比率 0.22(第15期 1.52、第14期 1.01)
・実質コスト(1万口あたりの費用)
信託報酬1.901%、売買手数料その他コスト込1.934%(税込)
16期は、基準価額はやや下落、純資産はやや増加で、大きな変動はありませんでした。
「投信まとなび」のデータによると、2015年9月に1.9億円程度の純流入があった以外は、大きな資金の出入りはないようです。
売買高比率は、去年、一昨年と比較して大きく低下し、0.2台でした。
日本株全体の値動きが落ち着いていたせいもあると思いますが、厳選した会社を割安に組み入れてじっくり待つ、このファンドの本来の姿に近い運用だったのではないでしょうか。
パフォーマンス
先日の「三井住友・中小型株ファンド」では「投信まとなび」のデータを使いましたが、今回は10年のデータもあるモーニングスターでチェックしてみました。
※左側は当ファンド、右側はモーニングスターのカテゴリー(国内中型グロース)の平均です。
※2016/10/31現在のデータなので、当ファンドの決算期とは一致しません。
・リターン(右側は同分類平均)
1年 ▲2.47⇔▲6.65(18位/70本)
3年 8.30⇔8.27(35位/56本)
5年 14.11⇔17.65(38位/46本)
10年 2.58⇔1.16(10位/38本)
・シャープレシオ(右側は同分類平均)
1年 ▲0.14⇔▲0.33(18位/70本)
3年 1.28⇔0.75(28位/56本)
5年 1.59⇔1.07(30位/46本)
10年 0.14⇔0.05(10位/38本)
10年で見ると、まずまず健闘しています。
上には載せていませんが、リスク(標準偏差)はどの期間をとってもカテゴリー平均より小さめで、中型・小型主体のファンドの中では、相対的に下げには強そうです。
組入企業
16期末の組入企業は38社(前期末は36社)でした。
16期は4社に新規投資し、2社を全部売却しました。
新規投資:アルプス技研、インフォマート、セリア、日本M&Aセンター
全部売却:アリアケジャパン、ピジョン
※10月のマンスリーレポートによると、13期決算後に、さらに旭ダイヤモンド工業を全部売却しています。
このファンドは、SRI(社会的責任投資)の冠がついていますが、狭義のSRIファンドというよりも、ESG集中投資ファンドに近いです。
財務情報だけでなく、企業のESG要素に着目して、持続的に成長できそうな企業を厳選し、割安に買ってじっくり待つスタイルを取っています。当期ぐらいの入替であれば、運用方針との兼ね合いでしっくりきます。
ただし、企業価値以上に株価が上昇して割高と判断される場合には売却していくので、相場が大きく上がる局面では入替も多くなると思われます。
(参考)10月末時点の上位10社
1年前と比較すると、10社中7社が重なっていて、ここからも落ち着いた運用だったことが分かります。
16期の寄付先
朝日ライフSRI社会貢献ファンドは、信託報酬の一部をNPOなどの非営利団体に寄付しています。当期は、純資産総額の0.1%(約354万円)が、下記5団体に寄付されます。
・社会福祉法人子どもの虐待防止センター
・NPO法人樹木・環境ネットワーク協会
・特定非営利活動法人 東京シューレ
・認定NPO法人日本NPOセンター 「東日本大震災現地NPO応援基金」
・公益財団法人 プラン・インターナショナル・ジャパン
引き続き積立を続けます。
(ファンドのHP)
朝日ライフ SRI 社会貢献ファンド(愛称:あすのはね)|朝日ライフ アセットマネジメント株式会社