セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

NPO法人3keysの第14回Child Issue Seminarに参加しました

子どもを取り巻く問題を考える、NPO法人3keysのChild Issue Seminarに行ってきました。去年7月の前回も参加しました。

今回のテーマは、「自殺」と「LGBT」。ちょっと重たく感じたり、縁遠く感じてしまったりする難しい問題です。



==== 第14回Child Issue Seminar(CIS)「人に言えない悩みを抱えた子どもたちの、今」

講師は、国際ビフレンダーズ東京自殺防止センターの村明子さんと、NPO法人ReBitの代表理事でご自身もLGBTのひとりである藥師 実芳さんでした。
※講演の写真はNGでしたのでパンフレットの写真です。




●村 明子さん(国際ビフレンダーズ 東京自殺防止センター前所長)

自殺対策基本法の施行もあって、自殺者数は全体としては減っていますが、子どもや若者の自殺は増えています。2015年は中学生だけで100人以上が亡くなりました。

村さんは、自殺したい、という人向けの電話相談を行っています。
仰っていたのは「傾聴」の大切さ。

村さんの団体、ビフレンダーズは、be+friend+ing(友達のように寄り添う、受け止める)からきています。
大人目線で「あと何年かすれば解決するからもう少し頑張ろう」「いじめは犯罪だから警察に相談しなさい」ではなく、今まさに苦しんでいる子どもの立場でじっくり聴いてあげること。話を聴いてくれる仲間がいる、と思ってもらうように努めているといいます。

生きづらさと闘っている気持ちには大人も子どももありません。たとえ子どもでも、死なないためにどうしていきたいか、自分なりの答えを必ず持っているので、相手の希望をできるだけ尊重してサポートする姿勢で相談にのっています。

そうすれば、「死にたい」という水面の上に出た言葉=氷山の一角ではない、水の底にある本当の気持ちを少しずつ引き出すことができます。

16年も多くの人の声を聴き続けてきた村さん。「聴くことは相手の問題に向き合うこと、関わること」という言葉は響きました。


●藥師 実芳さん(NPO法人ReBit代表理事)

藥師さんは、学生時代にLGBTの若者や子ども支援に特化した団体Re:Bitを立ち上げました。現在はNPO法人となり代表理事を務めています。藥師さん自身も、体の性は女性ですが、高校の時に性同一性障害をカミングアウトして、18歳頃から男性として生きています。

LGBTを難しくしているのが「見た目では分からない」ことです。冒頭、6人の若者の写真を見て「この中にLGBTの人が何人いるでしょうか?」との質問があり、正解は6人中5人だったのですが、全く分かりませんでした。
見た目で分からないので、自分からは言いにくく、周囲からも理解してもらいにくいのです。

また、LGBTといっても、L、G、B、Tと単純化できるものではなく、とても多様です。
例えば、藥師さんは、FtMパンセクシャル(からだは女性、こころは男性、恋愛対象は全性別)です。からだ、こころ、恋愛対象、行動の性別それぞれの組みあわせがあるので、まさに十人十色、「性別はグラデーション」だそうです。知りませんでした。

一方で、LGBTはとても「身近なマイノリティー」です。最近の調査では13人に1人(7.6%)がLGBTという結果が出ています。ざっくりAB型の人と同じぐらいの割合。これは結構衝撃でした。自分の近くにも人知れず苦しんでいる人がいるかもしれません。

電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2015」を実施

LGBTは、専門用語も多くてなかなか難しいです。ただ、初めから全部理解するのは難しくても、理解しようと意識することはできます。
例えば、藥師さんの紹介した、「彼」「彼女」「夫」「妻」という言葉を「パートナー」に置き換える、のはなるほどと感じました。当たり前と思っている言葉が、実は無理解を助長し、誰かをしんどい気持ちにさせているかもしれません。まずはこういった日々の意識を少し持ってみようと思います。


3keysの森山誉恵さん進行でのディスカッション&質疑応答では、小さい頃から正しい知識を伝える教育の必要性が話題にのぼりました。
投資やお金の教育と同じく、本当にその通りなのですが、ただでさえ時間のない学校の先生に何でもかんでも担わせられるものでもなく、非常に難しい課題だと思います。

最後に、3keysの運営する、10代のための悩み相談サイト「Mex」の近況報告がありました。今は東京版ですが、6月頃から全国版リリースに向けて準備中だそうです。機能もコンテンツも充実してきています。
Mex ミークス | 10代のための相談窓口

自分は子どもがいないということもあって、何か関われたらという気持ちで3keysを応援しています。セミナーもまた参加したいですね。