セルフ・リライアンスという生き方

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セゾン投信の社長交代に思うこと

セゾン投信が、2006年の創業以来社長を務めてきた中野晴啓さんから、園部鷹博さんに社長を交代すると発表しました。

中野さんは、代表取締役会長(CEO)、園部さんは代表取締役社長(COO)となり、2トップによる経営体制となります。

・セゾン投信リリース

新経営体制(社長交代)のお知らせ(PDF)

新代表からのメッセージ(PDF)

・園部新社長のインタビュー(モーニングスター)

資産形成の入口から出口まで、顧客に生涯伴走できる日本一誠実な運用会社へ=セゾン投信の新社長に聞く| モーニングスター

園部さんは、かつてさわかみ投信にいた2008年頃からセゾンとは関わりがあったそうで、2018年にドイチェからセゾン投信に移りました。その時から、中野さんは次期社長にと考えていたようです。

役割分担としては、中野会長が全体の戦略を立て、園部さんが実務面(マーケティング、営業、顧客対応)の責任を負うとのことです。メディア対応や金融庁・投信協会などの対外活動も引き続き中野さんが担当します。

中野さんは、交代の理由をこう書いています。

「セゾン号」の本格的長期運用を支えてくださる多くの皆さまからは、当社の後継者問題は当然のことながら高い関心を戴いていて、生涯軸の長期資産形成を託していただくにふさわしい健全な持続的経営意志を、早期に皆さまにお示しすべく、運用資産残高 3 千億円達成を機に新経営体制への移行を決めました。」

たしかに、独立系・直販投信の創業者の方たちも、そろそろ50代半ばから後半です。
資本体制は、セゾン、レオス、コモンズ、鎌倉などでまちまちですが、ファンド規模も大きくなって経営も安定フェーズに入り、次の世代を育てて引き継ぎを視野に入れていく時期です。

そのような「経営の持続性」に向けた意思を示すという意味で、中野さんの判断は素晴らしいと思います。長期投資を掲げている運用会社自身の10年後、20年後が心もとない状況はよくないですし、中野さんは、10年以上セミナーで全国を飛び回りながら社長業を続けていて、倒れないか心配なぐらいだったので、少し安心です。また、経営の相互牽制やガバナンスを高める姿勢も感じます。

ですので、賛同&応援の気持ちが9割ですが、1割ほどは疑問もあります。

それは、中野さんが代表取締役として残ることです。株主(クレディや日本郵便)の意向もあるでしょうし、いきなり園部さんに全部引き継ぐのは難しいので、まずは2人体制で、ゆくゆくは、ということなのでしょうが、取引先や顧客からみて、セゾン投信=中野さんのイメージがあまりに強いので、結局は中野さんの色が濃くなる面は大きいと思います。

創業社長が後継者に引き継ぐときに、スムーズな事業承継を行うため、自分が会長になるパターンはよくありますが、うまく機能させるには、会長ができるだけ前面に出ずに、社長に全て任せることができるかだと思います。ただ、どんなに任せようと思っても、そこは「自分の会社」ですから、ついつい口を出してしまいたくなるのが人情です。

その意味で、ここは思い切って代表から退く、ぐらいの決断があってもよかったのかもしれません。(※細かいことを言うと、人事や採用は2人の合意事項、としているのも気になります)

なお、現在、セゾン投信の2つのファンドは、中野さんがCIOとして「運用の基本的な方向性の指示」を行い、瀬下さんがポートフォリオマネージャーとして実際の運用を担当しています。この部分は引き続き中野さんが持つのでしょうかね。

繰り返しますが、新体制になっても変わらず受益者として関わっていきますし、今後も長期投資の理念を変わらず啓蒙し続けていってほしいです。運用報告会などで園部さんの話をじっくりお聞きしてみたいと思います。