先日、マンスリーサポーターをしている3keys(スリーキーズ)の10周年記念イベントに参加しました。
尾木ママこと、教育評論家の尾木直樹さんがゲストで登壇され、貴重な機会でした。
認定NPO法人3keys 設立10周年記念・尾木ママ × 3keysトークイベント~すべての子どもたちが安心して暮らすために~
前半は、代表の森山誉恵さんから、3keysの活動開始から10年の振り返りと今後について。
団体設立当時の思いや、初期の苦労話などは実はあまり聞いたことがありませんでした。森山さん自身の人生や家族との関わりと、活動への思いがオーバーラップする部分もあって、心打たれました。
貧困、虐待、ネグレクト・・・辛い環境下の子どもたちが学習の機会を失い、それがさらなる社会的孤立と格差の再生産につながるような状況をなくし、子どもが子どもらしく学び、安心して生きていけるよう、3keysは学習支援や相談支援を行っています。
サポートしていたある小学生の子から「うさぎって何?」と尋ねられたというエピソードはショックでした。幼少期にこんな基本的な語彙すら身に付けることができない子がたくさんいるということ。虐待で亡くなった、、、というニュースは多いものの、厳しい環境下で実際に生きている子どもたちの現状はあまり知られてないのではと思います。
子どもを支えることは、将来の社会を支えること。しかし、日本は先進国の中でも、教育や子どもの福祉に公的な予算をまわしていないワーストの部類の国です。この、子ども関連の公的支出が絶対的に少ないことが根本的な問題です。
(参考)日本の子どもたちの今|認定NPO法人3keys(スリーキーズ)
ただ、国がお金をまわさないから、と言っていても課題は解決しません。政策への働きかけと同時に、目の前の問題に対処するためにも、3keysのようなNPOが必要です。そして、市民ができることの一つは、NPOや民間の活動にできるかたちで参加することだと思います。なので自分も寄付で参加しています。
後半の尾木ママの講演でも、同じく子どもに対する教育支出の少なさが強調されていました。(写真はNGでしたので載せておりません)
ご専門の学校現場でのいじめ問題や、子どもの自殺、教育行政の問題などのお話が中心でしたが、特に印象的だったのは次のような言葉です。
「(フリースクールについて)不登校がふえたっていい。学校に行かなくたって、学ぶ場所なんてどこだっていい。『居場所』があることが大事。」
「勇気のある自殺なんて絶対ない。疲れ切って、判断できなくなって、自ら命を絶ってしまう。本当は生きたいと思っているし、必ずSOSは出している。」
「子どもの問題は100%大人の問題。親は、子どもを守ってあげる、とはっきり声に出して言わなければいけない。」
さすがの話力でした。
尾木ママは、外部主催のイベントには滅多に出ないそうで、それだけ3keysの活動への共感があるのだと思います。
また、進行役を務めた日テレの鈴江奈々さんも、完全ボランティアでの参加ということでした。支援者の一人として心強く感じました。
学習支援ともう一つの柱、悩み相談サイトのミークス(Mex)もメディアに取り上げられたりとかなり浸透してきました。
次の10年もさらに活動が認知され、3keysの目指す、全ての子どもの権利が保障される社会の実現に近づくよう、応援していきます。そして、森山さんが話してくれた、「自分の半径5mの外にいる人にも目を向ける」ことを大事にしたいです。