セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

独立系投信アクティブファンドの月次資金流出入(2021年度)

いわゆる独立系投信各社の主要アクティブファンドについて、2021年4月~2022年3月の月次資金流出入をまとめました。

2022年に入り、世界的に株式市場は下落基調かつボラティリティが大きくなっています。相場環境が変わる中で、各ファンドの受益者がどういう行動を取ったのか確認できます。

対象ファンドは私の積み立てているものを中心に独断で選んでいます。
データは、モーニングスターの「My投資信託」アプリから拾ってグラフ化。単位は100万円(1,000=10億円)。

セゾン資産形成の達人ファンド(セゾン投信)

2021年度は12ヶ月全てで純流入。毎月20~30億の純流入で非常に安定しています。

ひふみプラス(レオス)

※「ひふみ」シリーズは、純資産総額の大きい「ひふみプラス」「ひふみワールド+」を載せています。直販の「ひふみ投信」「ひふみワールド」もチェックしましたがほぼ同じ傾向でした。

ひふみプラスは、2019年から2020年頃にかけて大量に資金流出がありましたが、2021年以降は落ち着いています。

ひふみワールド+(レオス)

12ヶ月全てで純流入です。流入額も毎月50億前後の水準で、ひふみプラスに匹敵します。

コモンズ30ファンド(コモンズ投信)

12ヶ月全てで純流入です。もともと、資金流入の安定度が高いファンドですが、2021年度も安定していました。

結い2101(鎌倉投信)

ほぼ安定して2~3億円程度の純流入です。

長期厳選投資おおぶね(NVIC)

※独立系ではありませんが、月次のレポートや報告会などを通じた受益者への発信がとても充実したファンドなので載せました。私も設定初期から積立中です。

12ヶ月全てで純流入です。ネット証券では積立購入のみ可能ということもあって安定していますが、2020年頃からファンドの知名度アップとともに流入額自体も増えてきています。

純資産総額に対する純流入額比率

以上では、資金の出入りの傾向しか分からないので、純資産総額に対する年間純流入額の比率を出してみました。

純流入額比率
=(2021年度の年間純流入額)÷ (2022年3月末の純資産総額)

※分母の純資産総額には基準価額の変動要因が含まれるため、厳密には分子と分母は整合しません。

短期的に急激にお金が入ってくると弊害も大きく、この数字が大きいほどいいというわけではありませんが、ファンド規模に対して、過去1年間にどれだけの純流入額があったのかを示す割合なので、ファンドの成長度合いの指標と言えると思います。

セゾン資産形成の達人ファンド:17.4%

ひふみプラス:8.6%

ひふみワールド+:35.3%

コモンズ30ファンド:19.6%

結い2101:4.4%

長期厳選投資おおぶね:40.9%

設定時期や投資対象、販売チャネルが異なるので単純比較できませんが、ひふみワールド+、おおぶね、のこの1年の成長は大きいですね。達人ファンド、コモンズ30ファンドも、古い投信であることを考えると高いと思います。

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まとめると、独立系投信は、相場の下落がある中でも、全体としては解約が大きく増加することなく、ほぼ安定して資金流入が続いています。長期積立投資の普及啓蒙を続けてきたことが実を結んでいるのではないでしょうか。

ただし、全てがそうというわけでもありません。独立系の元祖、さわかみファンドの2021年度は約▲10億円の純流出でした。他のファンドとは明らかに特性が異なります。

資金流入の安定性が高いファンドの方が、株価下落時にいい会社に積極的に投資できるので、運用上もメリットが大きいです。

安定的な資金流入はパフォーマンスを支え、好パフォーマンスがさらに資金流入を安定化する、という良い循環が生まれやすいので、特にアクティブファンドにおいて資金流出入は大切なチェックポイントだと思います。

モーニングスターのWebサイトでは、各ファンドのページの「リターン」→「月次資金流出入額」で確認できます。「My投資信託」アプリでは金額まで確認可能です。