セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

「ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド」に投資しました

新しいファンドに少し投資しました。

ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド(愛称:ポジティブ・チェンジ) | 三菱UFJ国際投信

m@さんrennyさんを通じて知りました。
ありがとうございます。

ベイリー・ギフォードとは

イギリスのエジンバラにある独立系の運用会社です。社名の由来は創設者のBaillie氏とGifford氏。1908年設立で100年以上の歴史があり、2019年末の運用・助言残高は30兆円以上です。非上場で、社員・パートナーが資本を持つパートナーシップ制をとり、長期目線で運営されています。

日本では三菱UFJ信託と提携し、公募投信も設定されています。

関心を持ったのはやはり運用哲学です。長期的な価値創造の視点で、オーナーシップと対話によるアクティブ運用を徹底的に追求する姿勢を感じました。

同社の運用の考え方は日本語でも紹介されています。企業への投資とは何か、アクティブ運用とは何か、考えさせられます。特に、「株式投資の本来あるべき姿について話し合いましょう」は秀逸でした。

https://www.bailliegifford.com/jp/japan/professional-investor/insights/

当社の株式運用プロセスの基本は、成長企業を長期株主として保有することです。投資先企業が成長機会に投資し、株式市場からの短期的圧力を無視するようはたらきかけ、企業がその潜在能力を発揮出来るように支援したいと考えています。

将来的な企業価値の毀損に繋がる可能性がある、短期的な利益計上に注力するのではなく、真の経済価値を長期的に創造する事業活動へと、企業の目を向けさせるのが私たちの責務であると考えています。

継続的な企業のモニタリングと議決権行使及びエンゲージメントを通じた「アクティブオーナーシップ」の組み合わせこそ、私たちがスチュワードシップと考えるものです。

圧倒的な勝ち組企業は、極めて長期間にわたり利益を伸ばします。サステナブルな競争優位には、素晴らしい力が備わっています。そうした企業の株価は平均には回帰せず、多くの場合、短期的な株価変動は何も意味しません。

 ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド

三菱UFJ国際投信が設定し、実際の運用はベイリー・ギフォードが行います。

その名のとおり、社会課題を解決しながら経済的利益を追求する、インパクト投資の考え方に基づくファンドです。本国では「Positive Change Fund」という名前です。

持続可能であらゆる人々を受容する世界の実現に向け、好ましい社会的インパクト(社会的変化)をもたらす「インパクト・テーマ」に沿って、重要な社会的課題の解決に資する事業活動を、公正かつ誠実に行う企業の中から、投資機会を発掘します。

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ここでの「テーマ」とは、短期的な企業選びの着眼点と言い換えていいと思います。ファンダメンタルとインパクトの両面から分析し、世界中から企業を厳選して投資します。

運用メンバーの方々はこちらに載っていました。女性が多いです。

https://www.bailliegifford.com/en/uk/individual-investors/funds/positive-change-fund/about-the-fund/

2020年2月末時点の投資先は31社です。上位10社は次のとおり。

1位のテスラは、別ファンド(ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド)のレポートによると、2013年から投資しており、良好な関係を築いているようです。

日本企業ではエムスリーが入っています。 1月末時点での投資先30社の中には、シスメックスとピジョンも入っています。個人的にはシスメックスはコモンズ30ファンドで、ピジョンは結い2101でも投資していて、納得感があります。

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参考まで、国別比率は以下のとおりです。(英文ページより)

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インパクトレポート

上場企業を対象に、社会的インパクトを掲げる投信としては、三井住友DSの「世界インパクト投資ファンド」というファンドがあり、私も保有しています。

コンセプトはかなり似ていますが、本ファンドの方がインパクト投資へのより強い取り組み意志を感じます。

例えば、ベイリー・ギフォードの「ポジティブ・チェンジ・インパクトレポート」(年1回)では、投資先の事業を通じた社会的インパクトの数値化を試みています。

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また、英文のWebサイトでは、インパクトレポートの詳細版に加えて、投資額に応じた社会的インパクトを計算できる「impact calculator」なるページまでありました。個人投資家向けにここまでやっているのはすごいですね。インパクト投資はインパクトの測定・評価が不可欠になってくるので、大事な姿勢だと思います。

例えばこのファンドに100万円投資すると、
・6トンのCO2を削減
・大人6人が年間に飲む飲料水と同じ量を節約
・2人以上にモバイルサービスを提供 ・・・・
することができるそうです。


持続可能な社会に貢献し、人々の生活によりよい変化を与え続ける会社は、長期的に成長するはずです。ポイントは、そのような持続的成長が可能な企業を早く見つけ、対話によって成長を促すことができるかどうかです。まだほんの少しかじっただけですがベイリー・ギフォードはそれが期待できる運用会社かもしれません。

ぜひセゾン投信の資産形成の達人ファンドあたりで組み入れてもらって、本国の運用担当者の話を聞けたらいいなどと妄想していますがいかがでしょうか。三菱UFJ信託と組んでいるので難しいでしょうかね。