セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

「世界インパクト投資ファンド」の運用状況まとめ

保有している「世界インパクト投資ファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)が、2016年8月の設定から3年少し経ちました。

インパクト投資による社会課題解決の観点で、世界中から成長企業を選び投資します。上場企業への投資で「インパクト投資」を掲げている例は少なく、注目しているファンドの一つです。

インパクト投資と事業成長イメージ
世界インパクト投資ファンド|三井住友DSアセットマネジメント)より

ポートフォリオ

同ファンドは、年2回決算のものと1年決算のもの(資産成長型)の2種類が設定されています。2016年8月に新規設定された後、2018年5月に資産成長型が追加ラインナップされました。同じマザーファンドを使っており、ポートフォリオは同一です。

3つの大カテゴリー(「衣食住の確保」、「生活の質向上」、「環境問題」)と、11のサブテーマ(「持続的農業と栄養支援」「教育と職業訓練」「代替エネルギー」など)に基づき企業を選びます。

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2019年10月末の投資先は53社です。グローバルで53社なのでかなり絞り込まれています。

組入上位10社は次のとおり。(2019年10月末時点)
聞きなじみのない会社が多く、時価総額上位の大企業はほとんど入っていません。このユニークなポートフォリオがいいと思います。

日本の企業は、8月の決算時点ではカチタス1社にのみ投資しています。以前はエーザイも入っていましたが売却した模様。

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10月末時点の国別の投資比率は以下です。アメリカが約半分、欧州その他の先進国、新興国がそれぞれ2~3割ずつでしょうか。

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パフォーマンス

設定時(2016年8月)から2019年8月の決算まで3年間の、当ファンドと、参考指数であるMSCI ACWI(含む日本・配当込み)の騰落率の比較です。決算が半年毎なので6期分です。

2016年8月26日~2019年8月13日の騰落率は+32.9%(分配金再投資)、参考指数は+34.4%でした。設定直後に大きく劣後したのが響き、累計では参考指数に少し負けていますが、まずまずの成績です。

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モーニングスターのデータでは、同一のカテゴリー(国際株式・グローバル・含む日本・為替ヘッジなし)に属するファンド189本の3年の平均シャープレシオ:0.64に対して、当ファンドは0.93で、189本中26位でした。

純資産総額

世界インパクト投資ファンド:329.75億円
世界インパクト投資ファンド(資産成長型):61.07億円
(2019/12/13現在)で、合計約391億円とそこそこ規模が大きいです。

ただし、2018年は毎月30~50億円程度流入があったものが、今年に入って解約が増えており、純資産は減少傾向です。大手証券経由で大量に販売されたものが、すでにピークアウトしたとすると残念です。

SBIや楽天などのネット証券でも取り扱いがあります。もともと販売手数料を取っており、信託報酬も高いためネット証券ではほとんど注目されていませんでしたが、今回の各社の販売手数料無料化でノーロードで買えることになりました。グローバルのアクティブファンドとして知ってもらえるチャンスも増えるかもしれません。

投資先についての詳しいレポートが欲しい

このファンドに着目したのは、インパクト投資を明確に掲げている点です。名前だけでなくポートフォリオの内容からもそれが伝わってきます。

企業選定の基準では「インパクトの定量評価、明確な評価基準」と記載があるので、どこを評価してその企業を選んだのか、投資先企業が事業を通じてどんなインパクトをもたらしているのか、もっと詳しい説明があるといいと思います。ときどき臨時レポートなども出ていますが物足りないです。

運用を外部(ウエリントン)に委託しているのでお任せ、ではなく、三井住友DSとしてそこはぜひ頑張ってほしいところです。