コモンズ投信の投資先紹介シリーズ「企業のミカタ」。4回目はエーザイでした。エーザイは、コモンズ30ファンドが設定当初(2009年)から長く保有しています。
備忘メモです。見ていない方はアーカイブをご覧ください。
・エーザイの事業
神経領域(アルツハイマー治療薬等)とがん領域(レンビマ、ハラヴェン等の抗がん剤)が2本柱。
売上の8割は病院で使われる医療用医薬品。一般医薬品の割合は少ないがチョコラBBなどが有名。
・コモンズ投信の評価
<収益力>
レンビマの大幅な成長。米メルク社のキイトルーダとの併用医療の伸び。
<経営力>
内藤晴夫CEO(創業家)の強力なリーダーシップ。
<競争力>
アリセプトなどのアルツハイマー治療薬で世界をリード。新薬レカネマブの承認期待。
<対話力>
IRにも専門人材配置、ステークホルダー重視。招集通知は200ページ超!
<企業文化>
定款に盛り込まれた企業理念(ヒューマンヘルスケア:hhc)、利益よりも患者を第一に。
定款の第二条より。いい文章ですね。患者と生活者に貢献することが第一にあり、売上と利益はその結果である、という考え方は大事です。
本会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念と定め、この企業理念のもとヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業をめざす。
本会社の使命は、患者様と生活者の皆様の満足の増大であり、他産業との連携による hhc エコシステムを通じて、日常と医療の領域で生活する人々の「生ききるを支える」ことである。その結果として売上、利益がもたらされ、この使命と結果の順序を重要と考える。
・リンパ系フィラリア症の制圧活動
DEC錠を世界29ヶ国で無償提供、患者をサポート。
短期的にはコストでも、長期では企業価値向上に貢献(ブランド価値向上、相手国の健康福祉向上、社員のモチベーションアップ、工場稼働率アップ)。
リンパ系フィラリア症制圧に向けた10年間のあゆみ | 医薬品アクセス向上への取り組み
・エーザイに期待すること
認知症新薬レカネマブの早期承認&グローバル展開。認知症は日本だけでなく高齢化が進む世界共通の大きな社会課題となる。
社会全体として、予防から治療、ケアまでトータルで取り組み、負担を軽減するためのプラットフォーム構築において中心的な役割を期待。
一方、課題は今年75歳となる内藤CEOの後継者がどうなるか。
エーザイというと、個人的には柳・元CFOを中心にESG先進企業の印象が強いですが、本業そのものの強み、患者第一の企業理念(ヒューマンヘルスケア)について学べました。いい会社と思いますし、がんや認知症の分野での役割も大きいです。
最近読んだこちらの本でも、パテントクリフを見越したエーザイの対応力を決算書から検証していて面白かったです。長期視点の経営力がある、強い会社だと思います。
ただし、やはり製薬ということで業績は読みにくくボラティリティも高いイメージです。引き続きコモンズ投信経由で投資します。
「企業のミカタ」は、企業の全体像を知るとっかかりとしてとても役に立ちますね。視聴した上で、2022年3月期の決算説明資料を読んだところ、ゼロから読むよりも大分理解が進みました。
アーカイブはこちらです。