コタは鎌倉投信を通じて知り、2022年の初め頃から投資しています。
シャンプーやトリートメントなどヘアケア製品の製造販売が主ですが、大量生産の市販品と異なり、様々な髪質に対応した高価格、高付加価値の商品を扱っています。
さらに、美容室での販売(店販)に特化し、美容室の経営サポートやコンサルティングをセットで提供(「旬報店システム」)するという独自のビジネスモデルで成長してきた会社です。
5年前の受益者総会で小田社長のお話を聞きましたが、「『いい会社』を目指し続ける」という言葉が印象的だったのを覚えています。コタの哲学が伝わる講演でした。
◎2023年3月期決算概略
・25期連続増収(売上高8,804M、+1.3%)。一方で営業利益は10期ぶりの減益(2,020M、▲6.1%)。1月末に下方修正した会社予想よりは若干上振れ。
→ 前期(2022年3月期)は、2021年発売の「コタクチュール」の売れ行きがよく、かなりの伸びだったので、その反動もあるようです。
・主力の「コタ アイ ケア」や、2022年5月新発売の育毛剤「コタエイジング グロウセラム」などは好調。
・原材料費高騰もありつつ、粗利率は前期並みを確保(約71%)。一方で営業&物流費用アップで営業利益はダウン。当期純利益は2022.3期の特損が解消したこともあり若干プラス。
・2024年3月期は、主力の「コタ アイ ケア」「コタクチュール」を引き続き販促。5月に新商品発売。売上高は+6.8%の9,400Mを見込む。一方、給与引き上げなど販管費上昇で、営業利益は引き続き減益(2,000M、▲1.0%)。
・配当は20円で変わらず。例年どおり1:1.1の分割を行うため、実質10%増配。
◎業績推移
売上高、営業利益率の推移。減益とはいえ営業利益率は23%と高いです。全く同じ業態の会社はないのですが、四季報で比較されるミルボンの直近の営業利益率は17%です。
四半期営業利益の推移。
毎年、店販コンクールのある年末(3Q)に集中する構造ですが、徐々に右肩上がりです。
ROE、ROAの推移。安定して上昇傾向です。直近のROEは15.8%。
※ROEは会社公表値、ROAの分母の総資産は(当期+前期)÷2です。
ROEの分解です。自己資本厚めでレバレッジは低めです。利益率の高さがそのまま高めのROEにつながっています。
キャッシュフロー推移。
EPS、BPSの推移。利益の積み上がりにより着実に一株当たり純資産も増加しています。(分割考慮)
コタは単一セグメントですが、製品別の売上高が開示されています。
シャンプー、トリートメントなどの「トイレタリー」が7割強を占めます。構成比は大きくは変わりませんが、2023年3月期は「整髪料」「育毛剤」が増えました。
まとめると、2023年3月期は、コストアップで営業利益は減益となりましたが、長期的に見て堅調な推移だと思います。
個人的に感じている課題は、このあたりです。
・旬報店の軒数が伸びていない。旬報店経由の店販売上をどう増やすか。
・ネットなど非正規ルートでの販売をどう防ぐか(会員制ECサイトなど、非正規販売対策の進捗)。
長期的な流れとして、人口減少&美容室のオーバーストアという問題は避けられないので、やはり新規の取引先美容室の開拓が重要になると思います。
引き続き保有継続します。