セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

クラウドクレジット(ソーシャルレンディング)での投資状況まとめ

社会的インパクトを志向する投資の一つとして、2016年からクラウドクレジットのソーシャルレンディングに投資しています。

ソーシャルレンディングは、集団投資スキーム(匿名組合出資)を使った投資型クラウドファンディングのひとつです。顧客が出資したお金を企業等に融資し、収益を分配します。金商法上の登録が不要な寄付型、購入型のいわゆるクラウドファンディングとは異なり金融商品に該当します。

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「投資型」クラウドファンディングのはなし2|クラウドクレジットより)

ソーシャルレンディング事業者は多数存在しますが、私自身は、資金需要のある海外に日本の個人のお金をファイナンスし、社会的・経済的インパクトを生むというクラウドクレジットの理念に共感し、同社のファンドにのみ投資しています。

クラウドクレジット、社会性と経済性の両立を目指す「社会インパクト投資宣言」を発表

投資を始めて約3年経ちました。今までに、9本のファンドに投資しうち3本が償還済です。
※具体的な投資金額は載せませんが、どれも数万円程度、低いものは1万円から投資可能です。ポートフォリオの一部なので金額は少な目で投資しています。

【償還済(運用終了)】
・ペルー小口債務者支援プロジェクト19号
・カメルーン中小企業支援プロジェクト5号
・ペルー金融事業者支援ファンド1号

【運用中】
・カメルーン中小企業支援プロジェクト15号(為替ヘッジあり)
・ペルー小口債務者支援プロジェクト45号
・カメルーン農業支援ファンド1号
・ペルーマイクロファイナンス支援ファンド1号
・メキシコ女性起業家支援ファンド1号
・パキスタン太陽光事業者支援ファンド1号

償還済ファンドの運用結果

※各ファンドの満期時運用レポートより。こちらで閲覧できます。

・ペルー小口債務者支援プロジェクト19号
 運用期間:2016年5月11日~2017年11月25日
 募集時期待利回り:9.5%
 実際利回り:9.5%

・カメルーン中小企業支援プロジェクト5号
 運用期間:2016年7⽉31⽇〜2017年3⽉5⽇
 募集時期待利回り:13.0%
 実際利回り:22.6%
 ⇒ 想定を上回ったのはユーロ円が円安にふれたのが大きな要因。

・ペルー金融事業者支援ファンド1号
 運用期間:2018年1月22日~2020年1月31日
 ※当初予定より10ヶ月早く期限前償還
 募集時期待利回り:5.9%
 実際利回り:5.0%

為替の影響もありますが、償還済の3本のリターンは当初開示されていた想定利回りとほぼ同等以上となりました。
※あくまで私の出資したファンドの過去の結果であり一例にすぎません。同じファンドシリーズでも、投資時期によってリターンは異なり、返済遅延などが起こっているケースもあります。

運用中ファンドには厳しいものも

一方、運用中ファンドの中には厳しいものもあります。

例えば、「カメルーン中小企業支援プロジェクト15号」や「カメルーン農業支援ファンド1号」は、投資先からの資金回収が期間内にできず契約延長措置が取られています。同じタイトルのファンドでも号によりエンドの与信先が異なるため、回収状況はまちまちですが、元本割れとなりそうな号もあります。

カメルーン中小企業支援プロジェクト 2019年4月期の現状について

ファンドシリーズごとの元本割れや遅延リスクの程度は「期待リターンマップ」でイメージがつかめます。

運用状況|クラウドクレジット

リスクをどうとらえるか

2018年12月末現在の、クラウドクレジットの顧客全体の年率ベースの利回りは5.94%となっています。ただし、一部は元本割れの発生も見込んでいます。同社のWebサイトのトップページでも開示されています。

2018年12月末時点のお客様全体の損益分布図

半年ほど前ですが、杉山社長はこうコメントされています。

「元本割れ」に過剰に反応する人もいますが、後段の「リスクマネーが届かないところに資金循環を生むという当社の投資哲学」の部分がとても大事と思っています。

クラウドクレジットのファンドは、主に、途上国/新興国も含む海外の中小事業者へのファイナンスであり、為替変動も大きいことを考えれば、投資の形態がレンディングであっても相応のリスクがあるのは当然です。それを理解した上で、利回りだけを見てひとつのファンドに多額のお金を突っ込むことなく、少額から投資できるメリットを生かして、複数のファンド、シリーズに分散するのが大事だと思います。これは同社が繰り返し説明していることです。

 

私自身は、今までのところ、クラウドクレジットでの運用状況にはおおむね満足しています。かりにカメルーンファンド等で損失が出ても、多くは順調に運用されているのでそこは変わりません。海外向けということでメンバー構成も他社にはない独自性がありますし、残高の拡大とともに開示面も充実してきています。マイクロファイナンスや再生可能エネルギーのような社会性のあるファンドも増えています。

2015年に移転前のオフィスにお邪魔したことがありますが、その頃と比べて会社の規模も大分大きくなりましたね。

クラウドクレジットの個人投資家意見交換会 | セルフ・リライアンスという生き方(旧書庫)(2015.10.02)

さらに望むとすれば、特に社会的インパクト重視のファンドについては、どのようなインパクトが生まれるのか、あるいは生まれたのか、投資の事前事後でより詳しく評価・レポートして頂けるとクラウドクレジットらしさがさらに明確になるのではと思います。