セルフ・リライアンスという生き方

投資信託を中心にいい会社、いい事業にコツコツ長期投資。 社会とつながるソーシャルな投資や寄付も実践中。

共感コミュニティ電子地域通貨eumoが目指すもの(新井和宏さんトークイベント)

元鎌倉投信で、eumo代表の新井和宏さんのお話を久しぶりに聞きました。
鎌倉投信の受益者総会の日の夜、eumoのプロジェクトにも参画しているイケウチオーガニックの京都ストアでトークイベントがありました。

共感コミュニティ通貨「eumo(ユーモ)」の仕組みと目指すものがだいぶクリアになりました。

鎌倉投信からeumoへ

新井さんが中心になり、2018年9月に株式会社eumoが設立されました。eumoは社名であると同時に、eumoが進める新しい電子通貨の名称でもあります。

eumoは「共感資本社会の実現」を目指し、3つの事業を展開しています。

・人財育成(eumoアカデミー)
・投資事業(地域の非上場会社への資金サポート)
・プラットフォーム事業

3番目のプラットフォーム事業の中心が、共感コミュニティ通貨「eumo」です。

新井さんが鎌倉投信で掲げたのは「お金を預かって幸せで返す」こと。
お金がふえると同時に、社会が豊かになり、心も豊かになる。これを目指してきたのが私も長いこと積立を続けている鎌倉投信の「結い2101」です。

鎌倉投信創業時は、既存の金融業界から全く相手にされませんでした。しかし、約10年を経て、今やESG投資、SDGsが広まり、鎌倉投信は社会性をもった金融の先駆者と認められました。

「ふやすことを通じてみんなが幸せになるお金」は鎌倉投信で定義できた。
次は「使うことを通じてみんなが幸せになるお金」を定義したい。これがeumoの原点です。

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不便なお金、腐るお金

eumoは、従来の貨幣が前提にしている「利便性」や「経済性」ではなく、「共感」によって流通するという、ちょっと聞いただけではよく分からないお金です。

現在、来年2月末までの予定で実証実験期間中です。

共感コミュニティ通貨eumo

電子通貨eumoには大きく2つの特徴があります。

・有効期限がある(実証実験期間中はチャージ後3ヶ月)。
・全国の加盟したお店でしか、しかも実際に現地に行かないと使えない。

「不便なお金」「腐るお金」であることがeumoの特徴。
経済学の教科書に真っ先に出てくる、貨幣の交換機能や価値保存機能の多くを放棄するところからeumoは始まります。

eumoの使い方

実際に使い方の流れを教えてもらいました。

・スマホにeumo決済アプリをインストール
 (iPhone版、Android版あり)

eumo 共感コミュニティ電子地域通貨

eumo 共感コミュニティ電子地域通貨

  • 株式会社eumo
  • ファイナンス
  • 無料

・加盟店でeumoプリペイドカード購入、またはWebアプリ経由で振込入金すると、1円=1eumoとしてチャージされる。プリペイドカードは1,000eumoと5,000eumoがある。
 ※Webアプリはスマホ用決済アプリとは別途登録が必要。

(加盟店のリスト)加盟店一覧|共感コミュニティ通貨eumo

・加盟店に行き、eumo決済用アプリで商品・サービスをキャッシュレス決済。  
※eumoでしか買えない商品、サービスが加盟店ごとに用意される。

・使用期限を過ぎ失効したeumoは、別のeumoユーザーに再配布される。
※手間暇かけて現地に行った人により還元される仕組み。移動距離や共感度などユーザーの行動に基づき還元率を設定する。実証実験結果も踏まえ別途公表。

私のeumoアプリにも、現在1,000eumoがチャージされています。

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「共感」と「つながり」に基づく経済圏

eumoは、他のキャッシュレス決済のように、利便性や経済的メリットを前提にしていません。

規模は小さくても、持続可能な社会のために必要な生産者を次世代につないでいくため、経済性ではなく「共感によって循環する経済圏」をデザインする。これがeumoの発想です。

実際に都会から離れた地方に行って、生産者と会い、eumoを通じてつながりを持つ。そのつながりが、買い手、作り手、地域みんなに豊かさをもたらす、という循環です。

日本人全員がeumoを使うようにはならなくても、ある程度の規模なら(それが数千人なのか数十万人なのか分かりませんが)、価値観を共有するコミュニティができるはず、と新井さんは考えています。それは何となく同感です。
また、一人の消費が全てeumo経由になるのは難しくても、例えば消費の5%はeumoで、なら十分あり得ると思います。

人間は社会的な動物なので、共感できる人から、共感できるストーリーがつまったモノを買うことで、単に安いとか便利以上の価値を感じるからです。

国分寺で地域通貨「ぶんじ」にも関わっている、クルミドコーヒーの影山知明さんの著書「ゆっくり、いそげ」に出てきた、<不特定多数でも、特定少数でもない「特定多数」>や、人の<「消費者」的側面ではなく「受贈者」的側面にアプローチする>という考え方を思い出しました。

行き過ぎた資本主義を補正するために、円とは別のコミュニティコインをデザインする。GDPや売上、経済効率性を価値基準とする世界とは別の、共感やつながり軸の経済圏を創る。

お金とは幸せになるための手段にすぎません。お金とは何なのか、考え続けてきた新井さんなりの一つの結論がeumoだと思いました。(さらにeumoの先にあるのはお金のない世界=物々交換だと新井さんは言っていました)

eumoに限らず、ブロックチェーンの進歩で、これからは多様な価値観に基づく多様なお金が出てくる時代なのかもしれません。

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