セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

実況! ビジネス力養成講義 ファイナンス(石野 雄一・著)

ファイナンスの入門書のご紹介です。

フリーキャッシュフローや資本コストなど、企業評価の基本的な部分をおさらいするために読みました。

簿記2級、中小企業診断士(財務)、不動産鑑定士試験(会計学)と資格試験で一通り勉強してきましたが、投資目線での企業分析や企業価値評価については不得意です。投資先企業の理解を深めるために、このあたりを自分なりに強化したいと最近思っています。

著者は、オントラックの石野雄一さん。石野さんは、「道具としてのファイナンス」など本もたくさん出されています。ビジネスパーソン向けのファイナンス教育がご専門とのことで、非常に読みやすく分かりやすいです。難しい数式もあまり出てきません。

例えば、こんな内容でモヤモヤする方、ピンとくる方にはおススメです。

・会計上の「利益」は意見、「キャッシュフロー」こそ事実
・P/L頭からB/S頭へ
・割引率と資本コストの意味、その求め方
・ROIC>WACCがなぜ必要か
・成長ステージごとのキャッシュフローのパターン
・「企業価値」と「事業価値」の違い、デットとエクイティ
・キャッシュリッチや高格付がいいとは限らない?
・フリーキャッシュフローの求め方(詳しいです)
・運転資本とCCC

この本で一番大事だと思ったのは、「P/L思考からB/S思考へ」の転換です。自分もついつい売上や利益ばかり見てしまうので、「インプット対アウトプット」で考える視点を身に付けたいです。また、ややこしい運転資本の話も、図示しながら説明されていて、簿記未経験でもマスターできると思います。

さらに、実例で使用しているExcelシートがダウンロードできるので、実際に数字を打ちながら確認できます。自分も、簡単なDCFで企業価値と理論株価を算定してみました。

ビジネスパーソン向けですが、個人投資家が手にとってもいい本だと思います。