セルフ・リライアンスという生き方

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インデックスファンド隆盛の時代に~「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」に思う

毎年投票に参加している、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the year2018」の結果発表&表彰式が1月13日に開かれました。

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018

上位10位は、バランスファンドも含めると全てインデックスファンドで、とうとうアクティブファンドが10位以内から外れました。アクティブファンドを多く持っているので、事実上「低コストインデックスファンドランキング」になったのは少々残念でした。

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ある運用会社さんが「今後もコストを下げます!監査報酬にも切り込みます!」と高らかに宣言し、参加者が歓声で応える様子を見ていて、顧客志向で素晴らしいと思う反面、「個人にとっていいファンドっていったい何?」というモヤモヤした違和感が残りました。

自分もかつてはインデックスファンド推しでした。しかし、今はアクティブファンドしか保有していません。

インデックスファンドも、企業にリスク資金を循環させ、貯蓄から投資への流れをつくる、個人の長期の資産形成を促すという広い意味ではプラスです。一方で、ただコストが安いという理由で万人が広く分散された指数にパッシブに投資することはマクロの社会・経済的にみてマイナス面もあります。

具体的には、
・成長しない、価値を生まないダメな企業を温存し、社会全体の最適な資本配分を損なうおそれがある。
・株主による対話や売買を通じた圧力が働かず、企業のガバナンス機能を低下させる。
・社会の持続可能性を損なうさまざまな企業にも自動的に投資してしまう(非人道兵器、タバコ、石炭火力・・・)。

もちろん、ダメな会社が排除され、いい会社が常にきちんと選別される指数があればパッシブ運用もありだと思います。ただ、そのような指数は世間のインデックス投資家さんが望む、低コストで投資可能なものとは異なるでしょうし、むしろアクティブ運用にカテゴライズされるべきです。

最近はESG投資の流れで、パッシブ運用の中でもエンゲージメントを模索する動きが生まれていますが、低コストを追求する中での企業への働きかけには限界もあります。指数に入っているだけで自動的に投資し、株主としての役割を果たさないファンドが増えていくことは、世の中に必要とされる会社を育て、そうではない会社を退出させていくという市場の機能低下につながるのではと心配です。

自分がアクティブファンド推しに転向したのは、インデックスを出し抜いて儲けてやろう!という野心からではなく、以上のような、指数に含まれる全ての企業にパッシブに投資してしまうことの問題点、逆に言うと「投資先を選ぶこと」の大切さに気付いたからです。投資には企業行動ひいては未来を変える力があることを考えると、インデックス投資はやめよう、ということになりました。

もちろん、パフォーマンスを無視しているわけではなく、持続的に成長できる企業を選んだちゃんとしたアクティブ投資をすれば、長期的には指数を上回るパフォーマンスが上がるはずと思っています。

「投資先を選ぶ」のなら個別株を持つという考えもあります。私も投信にこだわっているわけではなく株式を持ちたい企業もあります。ただ、投信は、リスクを適度に分散し、少額から時間分散(積立)の効果を享受できるうえ、いい会社探しやバリュエーションをプロにお願いできるメリットが大きいので、投資信託をメインにしています。

FOYランキングに話を戻しますが、インデックスファンド隆盛が際立った一方、10位以下に目を向けると、アクティブファンドもまずまず健闘しました。私も積み立てているひふみ投信(11位)、結い2101(15位)、コモンズ30ファンド(20位)、そしてこのブログでも取り上げる、米国株の超厳選投資を掲げる農林中金の米国株式長期厳選ファンドも19位に入りました。投信ブログというと圧倒的にインデックス投資家さんが多い中、アクティブファンドをきちんと見ている人もいるのが分かってよかったです。

なお、アクティブファンドが好きとは言っても、世間の多くのアクティブファンドが投資に値しないと思っているのはインデックス投資家さんと同じです。企業の価値を長期的な視点で見極め、きちんと投資先を選別して結果を出すファンド、投資先や受益者との対話を大事にするファンドが増え、また上位に「いいアクティブファンド」がランクインすることを願います。

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日経電子版にインタビュー記事が掲載されました

良質なファンドは良質な受益者とともにある

投資に対する考え方について【過去記事再掲】

農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンドの運用報告会(第一回年次総会)