セルフ・リライアンスという生き方

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「iTrust新興国株式」に復調の兆し?

新興国株式に投資するピクテのアクティブファンド「iTrust新興国株式」。2017年8月に投資を開始し、現在も毎月積立購入しています。

投資開始時の記事。

同ファンドは、新興国の中でも「労働人口(生産年齢人口)が増加している国」の企業に投資するファンドです。MSCIエマージングのような新興国株式インデックスとは一線を画し、既に労働人口が減り始めている中国、台湾、韓国等は除外し、南ア、ブラジル、インド、メキシコなどの企業のウェイトが高いのが特徴です。

「労働人口の増加」を経済成長の原動力ととらえ、主に金融などその国の内需拡大の恩恵を受ける業種に投資しています。

経済や企業活動はグローバルにつながっているので、新興国の人口増加の恩恵は、それらの国でビジネスを展開する日本企業や米国、先進国企業への投資でも得られるはずですが、このファンドはよりダイレクトに、労働人口増加国の成長の果実を得られます。そういう趣旨で分散投資の一つに入れています。

直近の投資先上位10社は次のとおり。やはり銀行が多いです(2023/4/28現在)。

そんな「iTrust新興国株式」ですが、最近のパフォーマンスが好調です。

・設定来(2017/5/1~2023/5/15)

設定来約6年ではインデックスに劣後します。

iTrust新興国株式:+20%
eMAXIS新興国株式インデックス:+36%(MSCIエマージング連動)

・直近3年(2020/5/25~2023/5/15)

一方、コロナ以降の直近3年ではこうなりました。

eMAXISに加え、FTSEエマージングをベンチマークとする「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」とも比較しましたが、iTrustは、どちらも大きくアウトパフォームしています。特に、2021年以降が好調です。

iTrust新興国株式:+88%
eMAXIS Slim新興国株式インデックス:+45%
SBI・新興国株式インデックス・ファンド:+48%

設定以降冴えない期間が続いたので、最近の好パフォーマンスは受益者としても意外です。

同じ「新興国株式」と言っても、これだけ違いがあり、ひとくくりにできないことが良く分かると思います。

なお、iTrust新興国のポートフォリオは、新興国株式インデックスと比較してPERはかなり低く、バリュエーション面でも伸び代が大きいようなので、この調子で頑張ってもらいたいところです。

ただ、このファンドの最近の好調は、南アやブラジルなど資源国の企業が多く資源価格上昇の影響を受けたことや、コロナで株価が低迷した中国に投資していないことが主な理由のようです。好パフォーマンスが続くかどうかはさらに長い目で見たいと思います。

また、月次レポートは改善希望です。ファンドのパフォーマンスを決定するのは最終的には投資対象国の選択よりも個別企業の株価なので、投資先企業の説明や投資理由についての解説はもっと厚くして頂きたいです。