セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

鎌倉投信・「いい会社」の経営者講演(亀田製菓・ジュネジャ副社長)

鎌倉投信の投資先、亀田製菓のジュネジャ副社長の講演を聞きました。
テーマは「製菓業から“Better For You”の食品業へ」。これからの亀田製菓を知ることができました。

インド出身のジュネジャさんは、84年に研究者として来日。その後太陽化学、ロート製薬の副社長などを経て、2020年に亀田製菓の副社長に就任。食品事業と海外事業を率います。

亀田の事業セグメントは、国内米菓、食品、海外の3つです。「亀田のあられ、おせんべい♪」のとおり、国内向け米菓が売上の8割近くを占めますが、2030年には米菓以外の食品事業と海外事業の比率を半分近くまで上げる目標です。まさにこの成長事業を統括するのがジュネジャさんです。

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(中期経営計画より)

“Better For You”とは、オーガニック、ビーガン、グルテンフリーなどの狭い意味だけでなく、「美味しく、からだに良いものを選び、食べ、楽しむ、健やかなライフスタイルに貢献する」というコンセプトです。

その中心が食品事業です。具体的には、グループ会社も含めて4つの柱があります。
・植物性乳酸菌、おかゆなど
・長期保存食[尾西食品]
・PBF(植物性代替肉)[マイセン]
・米粉パン[タイナイ]

尾西の保存食以外はまだ知名度が低いので、ブランド化してマーケティングも強化します。ちょうど記事が出ていました。

亀田製菓 米菓から食品企業へ 新ブランド始動 植物性素材の可能性を追求 - 食品新聞 WEB版

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グルテンフリーや健康によいだけなら他にもたくさんの商品があります。ジュネジャさんは、亀田の強みは、米菓の長年の経験で培った「多彩な食感付けや味付けの技術」によって「美味しいもの」を提供できることだと話しました。

確かに、美味しいことは絶対条件ですし、加えて、値段がそこそこで、スーパーなどで気軽に買えることも大事だと思います。

今後、健康志向、食糧問題、環境面から代替肉の需要は高まるでしょうし、アレルギーのない食品のニーズも強まるでしょう。災害の増加で非常食需要も高まっています。一般的な食品より付加価値も高そうですし、「美味しくできる」技術でアドバンテージがあれば、食品事業は有望と感じました。

亀田の経営理念の一つに「会社の永劫の存続をはかる」という言葉があります。企業がゴーイングコンサーンとしてサステナブルであり続けるには、今のポジションに甘んじず変わり続けること、新しい価値を提供し続けることが必要だと改めて感じました。

そして、もう一つの理念は「会社にまつわるすべての者の要望に応える」です。「すべての者」とはステークホルダーのこと。一番大事なステークホルダーは「社員」だとジュネジャさんは話します。投資家に対してもこう言い切れる経営者は素晴らしいと思いました。

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