セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

鎌倉投信のスタートアップ投資「創発の莟」

f:id:shimo1974:20211223122448j:plain

少し前になりますが、友人にこんなイベントに誘われ、鎌倉投信・江口耕三さんの話を聴きました。

Yokohama Startups 2021 Vol.3 新たなスタートアップ投資がもたらす社会的・経済的価値とは 

江口さんといえば、元アニコムのCFOで、以前は「いい会社をふやしましょう」のイベントなどでもよくお会いしました。鎌倉投信が非上場企業に投資するファンドを立ち上げたのは知っていましたが、その責任者として江口さんがジョインされていたのに驚くとともに、うれしいと思いました。

「創発の莟ファンド」は、鎌倉投信とフューチャーベンチャーキャピタル(FVC)が共同で立ち上げた、非上場のスタートアップ企業に投資するファンドです。(プロ投資家向けの私募ファンドなので個人は投資できません)

江口さんは、「創発の莟」ファンドの意義をこう話しました。

IPOありきではない、それぞれの企業のペースに合った成長をサポートする。

オープンで顔の見えるファンドとする。
※「創発の莟」の出資者であるLPはサイボウズ、ソウルドアウト、北國銀行、横浜銀行です。鎌倉投信・FVCとのチーム一体で、投資先に対してお金だけでなく経験や知恵も出し合っていきます。投資を受ける側にとっても心強いと思います。
※サイボウズ、ソウルドアウトは「結い2101」の投資先。

社会性の表現を豊富にする。数字だけで表せないビジネスモデルの価値や会社の個性を大切にできる経営を支援する。

持続的な成長を支援する。「結い2101」も含めて上場後も切れ目なくサポート。

社会課題への創発的な取り組みを促す。投資先企業単独ではなく、LPも含むチームの相互作用で課題解決を目指す。

スローガンは「100年続くスタートアップを育てる」

短期的な急成長と大きなキャピタルゲインを志向する既存のベンチャー投資とは異なる視点です。鎌倉投信のような運用会社だからこそ、IPOによるExitありきではない、それぞれのスタートアップに合った成長を応援する投資をかたちにできたのでしょう。上場するベンチャーは千三つ(1000社に3社)と言われる中で、残りの99%以上の中にも社会課題を解決しているいい会社はたくさんあり、それらの持続的な成長を支えていくことは意義があります。

もちろん、「創発の莟」は上場を否定するわけでは全くありません。ファンドとして一定のリターンを上げる必要はあるので、大きく成長する企業、ゆっくり育つ企業、アーリーからレイターまでポートフォリオとして組み合わせていくとのことでした。

以前鎌倉投信に在籍していた新井和宏さんが、投資信託で非上場企業に投資することのハードルをよく話していたのを思い出します。
※「結い2101」では非上場企業6社(マザーハウス、イケウチオーガニック、HASUNAなど)に投資中ですが、すべて社債保有です。

ですので、今回の「創発の莟」の話は「結い2101」の受益者としてもうれしいです。1号ファンドの規模は最大25億円と大きくはないですが、スタートアップ投資に新たな価値をもたらすことを期待します。

気になる投資先ですが、現在3社が開示されています。ユニファSchooヘラルボニーです。ヘラルボニーは最近よく話題になりますね。以前代表の松田崇弥さんの話を聴いたことがあります。注目している会社の一つです。

(ソウルドアウトのリリース)

個人では、投資型クラウドファンディングのファンディーノで、非上場企業(創業間もないシード)にいくつか出資していますが、スタートアップやベンチャー投資のことは全く素人なので、投資先の動向も見ながら勉強したいと思います。「創発の莟」によって育まれ、いい会社として花開いた企業が、ゆくゆく「結い2101」の投資先に加わることもあるかもしれません。

 

参考記事。