鎌倉投信の「結い2101」の2019年3月末時点のまとめです。
データは、鎌倉投信の月次レポート「結いだより」、外部データ(モーニングスター、Yahooファイナンス)に基づきます。
【前回記事】鎌倉投信・結い2101サマリー(2018年12月末)
基準価額推移
過去3年、過去1年の基準価額(分配金込み)の推移です。
各期首=100として指数化、TOPIX配当込(eMAXIS TOPIXインデックス)と比較。
<過去3年>
結い2101 +17.9%、eMAXIS TOPIX +24.6%です。
現金比率が高く、市場が一方的に上昇する局面では置いていかれがちですが、リスク(変動幅)はかなり小さいです。
<過去1年>
この1年では、結い2101▲4.8%、eMAXIS TOPIX ▲5.4%で、指数より下げ幅は小さいです。
純資産総額
2019年3月末時点で391億円、4/12時点で398億円です。400億円まであと一歩のところまで来ました。
月次の資金の出入りは2018年2月以降継続して純流入で、安定しています。
口座開設者数
口座開設者数と、そのうち定期定額購入(積立)の顧客数の推移です。
3月末時点で19,503人。積立している顧客比率は約56%です。受益者の増加とともに、積立顧客の比率は若干下がってきています。
株式/現金比率
過去1年の株式・現金・債券比率です。
株式比率は緩やかに下がっており、3月末時点で約57%です。
投資先企業数
3月末現在で65社(うち、非上場6社)です。
2018年12月末以降の変動は以下です。1社増加、1社減少でトータルでは変わっていません。
・全売却
エヌ・デーソフトウェア MBOに伴い全売却
・新規組入
1月に1社を追加組入。(比率が基準未満のためまだ非開示です)
また、ソウルドアウトの組入比率が基準に達し、開示されました。中小・ベンチャー企業のデジタルマーケティングやIT化支援を行う企業です。
ROEについてのコラム
結いだよりの3月号、4月号で、ファンドマネージャーの鞘本さんがROE(自己資本利益率)を解説しています。
個人的に、「ROE重視」という言葉は、とにかく株主利益追求!的であまりいい印象を持っていませんでした。コラムでは、株主偏重の資本効率・収益性アップによる短期的なROE向上ではなく、ステークホルダーとの共生や信頼関係をベースとした、長期安定的な持続性のあるROEが大切、という鎌倉投信らしい解説で、とても納得できました。
企業は、商品・サービス(価値)提供の対価としてお客様からお金をいただき、その(価値)の提供を実現するために協力してくれた利害関係者に報い、最後に残った利益をその将来に活用し事業を展開しています。企業が安定した「当期純利益」を確保するには、利害関係者との「共生」が重要であり、無理な値上げ・値引きやリストラを避け信頼関係を維持することが大切です。利害関係者を大事にする視点を忘れないことが、持続性のあるROE達成への唯一の道ではないかと思います。
(結いだより4月号より)