9/26に、「米国株式長期厳選ファンド」改め「長期厳選投資 おおぶね」の、受益者向けの2回目の総会が開催されました。
実は、この4日前の9/22にも、京都でこのファンドを運用するNVICさん(農林中金バリューインベストメンツ)主催のブロガー座談会に参加させて頂いたので、すっかりNVICウィークでした。
今回の年次総会は、昼から投資先の企業見学(第一部)、夜の運用報告(第二部)とぜいたくな総会でした。ファンド名変更の経緯も説明がありました(第二部で書きます)。
スリーエムジャパン見学
投資先である3M社の日本法人、スリーエムジャパンの、橋本にある開発拠点「カスタマーテクニカルセンター」(CTC)に伺いました。
CTCは、3Mの数多くの技術を紹介するとともに、顧客と一緒に新しい製品アイディアやイノベーションを生み出す重要な拠点で、世界に5か所あるうちの一つです。日本のCTCは1999年に開設され、20年で15万人が来訪。基本的に取引先企業向け施設ですが、今回特別に見せて頂きました。
NVICは、機関投資家向けの米株ファンドを運用開始した2012年から3Mに投資を継続しています。
3Mは、テクノロジープラットフォームと呼ばれる約50の要素技術を、顧客の課題や社会の要請に応じて巧みに組み合わせ、次々と新しい製品を生み出してきました。
NVICのCIO奥野さんによると、3Mの強みは、顧客の課題を把握する力(Issue Finding)と、その課題を解決する組織の強さの両方を兼ね備えている点。
再現性があり、持続的に課題解決をし続ける仕組みが、組織に組み込まれているのが、3Mが「構造的に強靭な企業」である所以です。
センター長の花島さんによれば、イノベーションの源泉は、3Mの中興の祖、マックナイト氏が育み、以降ずっと継承されている、自主性を尊重し失敗を責めない企業文化にあります。ポストイットを生んだ、15%カルチャー(勤務時間の15%は好きな研究にあてていい)もその一つです。
CTC内は撮影不可でした。
自動車用のフィルムや遮音材、道路標識の反射材、液晶用フィルム、医療関係、建材関連、付箋や接着剤などの日用品まで、手に取りながら説明頂きました。
3Mというと「ポストイット」ぐらいのイメージしかなかったのですが、生活のありとあらゆる場面でお世話になっていることを認識。
特に驚いたのは、道路標識などで使われている、どんな方向から光を当てても自分の方向にのみ反射して戻ってくる再帰性反射シートの技術。小惑星探査機はやぶさ2の着陸時の「ターゲットマーカー」にもこのフィルムが使われています。これも複数の素材とアプリケーション技術の組み合わせで生まれたイノベーションです。(現在はガラスビーズからプリズム型に移行)
また、塗装だと思っていたあらゆるものが3Mのフィルムに置き換わっているのは知りませんでした。例えば、銀座線の車両は全面3Mのフィルム貼りです。コスト、手間、耐久性の面で塗装より優っているそうです。
3M|東京メトロ銀座線の新型車両1000系に3M(TM)スコッチカル(TM)フィルム XLシリーズが採用
自分は文系なので技術のことは言葉で聞いてもなかなかイメージできませんが、実際に見る、触ることで、各技術の凄さと同時に、それらを組み合わせてイノベーションを生み続ける3Mの力がこれでもか、というぐらい分かりました。
貴重な体験でした。やはり「百聞は一見に如かず」です。
第二部は大手町に場所を移して、運用報告会でした。
(第二部に続く)