セルフ・リライアンスという生き方

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「米国株式長期厳選ファンド」の運用レポートに思うこと

このブログでたびたびご紹介している農林中金の「米国株式長期厳選ファンド」。
SBI証券で積立中です。

このファンドを積立している理由は大きく2つあります。ひとつは運用理念や運用哲学への共感、もう一つは受益者に対するレポーティングの素晴らしさです。

本ファンドが投資するのは、1.付加価値の高い産業、2.圧倒的な競争優位性、3.長期的な潮流、の3つを満たす「構造的に強靭な企業」です。

例えば、2019年5月度の月次レポートでは、投資先候補企業 Republic Services社への訪問結果を通じて、米国のごみ処理産業についてこの3つの視点から詳しく書かれています。

・付加価値
 ごみ処理は人々の生活に欠かせない。景気変動の影響を受けにくくキャッシュフローが安定している。

・競合環境
 米国のごみ処理市場は、上位3社でシェア計45%、35%が小規模事業者、20%は自治体の自己運営。
 米国では日本のような焼却ではなく埋立処理が主流で、回収→処理→埋立(or リサイクル)という工程となる。新規の埋立地は認可されにくく、埋立地をどれだけ確保しているかが実質的な参入障壁になっている。また、大手は地域ごとに回収デンシティを築いており競争優位が揺らぎにくい。

 業界トップの Waste Management社は「圧倒的規模による高収益を土台に新領域への積極進出」、面談した2位の Republic Services社は「本業に集中し着実な骨太経営」というスタンスの違いがある。

・長期的潮流
 人口増加+インフレによる市場の長期的な拡大に加えて、中小事業者の後継者難により大手によるM&Aが盛ん。寡占化が進むことで、大手の収益構造がさらに向上するという好循環がある。一方で、埋立地のキャパの問題から焼却処理が増える可能性や、高付加価値という点では一般廃棄物ではなく医療系ごみなどへの着目もありかも?

 

内容が詳しくて勉強になるのはもちろんですが、実際に企業訪問で仕入れてきた生の情報をもとに、現時点での肌感覚を率直に伝えようという姿勢を感じます。特に、まだ投資を決定していない段階で、その過程までオープンにするのはなかなかできることではありません。

こちらで閲覧できます。
農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド

月次レポートや運用報告書は、単にパフォーマンスを示すだけでなく、掲げている運用哲学と実際の運用プロセス(企業選びや投資行動)がきちんとリンクしているのかを伝える役割があると思います。パフォーマンスは結果にすぎません。

しかし、多くの投信会社のレポートは、基準価額の変動がどうだったとか、ありきたりな相場の解説に終始し、この大事な役割を放棄してしまっています。投資家から預かったお金を長期的に育てるためにどんな仕事をしているのか、という肝心な部分をもっと伝えるべきです。

レポーティングの素晴らしさという点では、自分が投資している中では、このファンド(NVIC)と、ひふみ投信、鎌倉投信あたりが抜けている印象があります。

投資信託=信頼してお金を託すものです。NVICさんのレベルで説明してくれると、お金の託しがいもあるものです。対価を払って企業選びをお願いしているわけなので、特にアクティブファンドを運用する会社は見習ってほしいです。