セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

PIECESの4周年記念イベントに参加して

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応援している認定NPO法人PIECESが、この6/22で設立4周年を迎えました。
おめでとうございます!

前日の6/21のオンラインイベントに参加しました。

PIECESとは、理事の斎さんとの出会いをきかっけに、2016年に設立記念パーティに参加して、その後マンスリーサポーターになり、去年にはイベントにも出させて頂きました。

寄付で関わっているNPOの中でも、初期の頃から応援していて、思い入れのある団体です。

寄付と、もう一つのライフワーク「長期投資」が重なる、コモンズ投信のSEEDCapという寄付プログラムに、代表の小澤いぶきさんが選ばれたのは本当にうれしかったです。

そんなPIECESが、5年目に入るのを機に、新役員の方々を迎え、パワーアップした体制で次のステージに進みます。

イベントでは、PIECESの理念のおさらいと、これまで/これからの活動、そして新メンバーのご紹介がされました。PIECESの「今とこれから」が詰まったイベントだったので、長いですが、私なりの理解をまとめます。

「優しい間」と「市民性の醸成」

PIECESが目指すのは、子どもが孤立しないよう、地域に「優しい間(ま)」をふやすための「市民性醸成」です。具体的には、各地域で子どもと関わる市民育成プログラム(Citizenship For Children)を行っています。

「優しい間」とは、お互いに尊重し合い、安心しあえるような人と人との関係性。自分も他者も両方大切にできる状態で、安心して頼ったり、頼られたりすることができるような関係性です。

「市民性」とは、行政や福祉の専門家ではない、私たちひとりひとりが、さまざまなかたちで子どもと関わる当事者である意識をもち、行動すること。同時に、自分の感情や他者の言動、社会の事象を「ありのままに」みつめ、うけとり、働きかける、こと。

多様な市民が、仕事としてではなく、ひとりの大人として、ひとりひとりの個性を活かして、日常の中で子どもと関わりを持ち続けることが、子どもの安心と孤立の予防につながります。

なぜなら、「優しい間」が子どものまわりにあふれれば、孤立の最初のきっかけである「頼れる人がいない」、「この人に頼っていいのかわからない」・・・というハードルがなくなるからです。そして、この「優しい間」は、「市民性」が育つことによって地域にいきわたるという関係にあります。

なので、個々の事象への対応よりも、もっと根っこの部分にある、「優しい間」をふやすこと、そしてそのための人材育成を通じた「市民性の醸成」に主軸を置いているわけです。

すばらしいわかりづらさ

「優しい間」「市民性」のように、PIECESの発信するキーワードそのものは抽象的です。初めての人に活動内容を「ひとことでわかりやすく説明する」のが難しかったりします。

この点を、新理事の荻原さんが「すばらしいわかりづらさ」と表現したのは納得でした。

ネットやSNSのせいもあるかもですが、最近は、複雑な事象を何でもシンプルに伝えることがよしとされ、情報の受け手もシンプルで分かりやすいものに飛びつきがちな世の中になってきています。でも、社会は常に複雑で、さまざまな課題の答えもひとつではありません。

PIECESは、この複雑でわかりにくい社会や「人」をできるだけありのままにとらえる姿勢を大事にしています。自分の感情や、関わる他者の言動を単純化して理解し、評価しようとするほど、「優しい間」とは遠ざかってしまうからです。

一方で、PIECESの活動をもっと広げるには、この「わかりづらさを分かりやすく伝える」という、ある意味矛盾を乗り越えることが必要だとも思います。そこは大変ですが、ぜひ知恵を絞っていただきたいですね。

「ひらかれたwe」

最後に、もう一つ大事なキーワード。「ひらかれたwe」という言葉です。

私と他者を別個の独立した存在と認識し、「わたし」と「あなた」、あるいは「わたし」と「社会」を切り離してとらえた瞬間、「支援する人」と「支援される人」という二項対立が生まれます。

そうではなく、私たちの社会を、お互いに外部に「ひらかれた」、相互に作用し合っている存在ととらえることで、複雑な要素がからみあっている社会的孤立の問題にも対応できるのでは?という提起です。

新理事の小野田さんは「つつみつつ、つつまれている」と表現しました。とても共感します。
私たちはある局面では人を支えていても、別の局面で他者に支えられて生きています。また、誰かを支援することで、支援した相手から学び、変わっていくということもあります。

ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)という言葉があります。これって実は、弱い立場にいる人を孤立させないように支えていこう、という意味だけでなく、本来は、ふつうの市民や支援する側の人も含めて、全ての人が、お互いに包摂し合っていこう、という意味なのかもと、話を聞きながら思いました。

 

イベント当日の感想ツイート。

長くなりました。

一番言いたいのは、PIECESは、市民ひとりひとりの関わりを通じて、子どもを孤立させないような社会の「仕組み」そのものをつくることを目指している、とても独自性が高くて、かつ普遍的な場所を目指しているNPOだということです。

現在PIECESは、マンスリーサポーター(PIECESメイト)を100人ふやそうキャンペーンをやっています。ここまで読んで頂いた方は、もはや潜在的にはPIECESメイトです。

「子どもの孤立」の問題に関心のある方、ぜひPIECESの活動をチェックしてみてください。

5年目もますますの発展、応援しています。

 

PIECESについて書いた記事をひととおり載せるとこんなにありました。
PIECESの歴史が垣間見れるかも。

・2016年
NPO法人PIECES設立記念パーティに参加しました

NPO法人PIECESのクラウドファンディング(Readyfor)を応援

・2017年
NPO法人PIECESのクラウドファンディング感謝祭に行ってきました

NPO法人PIECESのマンスリーサポータ―になりました

NPO法人PIECES設立1周年トークライブ&パーティー

・2018年
コモンズSEEDCapにNPO法人PIECES・小澤いぶきさんがノミネートされました

コモンズ投信の第9回コモンズSEEDCap応援先にNPO法人PIECES・小澤いぶきさんが選定されました

・2019年
【イベント登壇しました】「未来をつくる」お金の使い方 〜寄付の仕組みをつくる人・寄付を活かす人・寄付をする人

「A-port SDGs」でPIECESと3keysのクラウドファンディングを応援しました

PIECESのクラウドファンディング寄付者イベントに参加しました

かものはしプロジェクト × PIECES「子どもたちを守る仕事とそれを取り巻く社会の仕組み」

・2020年
PIECESのマンスリーサポーター向けランチ会