レオスの「ひふみワールド」が2019年の10月に運用開始して、はや半年経ちました。
ファンド設定来の推移を簡単にまとめました。
基準価額推移
設定日(2019/10/8)~2020年3月31日のリターンは、▲11.4%でした。
本ファンドは、ベンチマークも参考指数もありません。ただし、運用報告書には「市況の参考」として、MSCI ACWI(日本除く、配当込、米ドル建)が掲載されています。
設定日=100として、円換算の同指数をベンチマークとする「eMAXIS 全世界株式インデックス」と比較してみました。eMAXISの同期間のリターンは▲12.2%で、ひふみワールドの方がわずかに上回りました。
まだ半年だけですし、ポートフォリオを徐々に構築していた段階のため、あくまで参考ですが、世界株インデックスと近い動きになるということは分かります。
純資産総額
続いて、ファンド規模の推移です。
直販の「ひふみワールド」(2019年10月8日設定)と、販売会社経由の「ひふみワールド+」(2019年12月13日設定)の純資産総額を重ね合わせました。
3月末時点で、ワールド:101億円、ワールド+:478億円(計約579億円)です。ワールド+が設定時に250億円近く集まったのが大きいです。やはりひふみ投信の知名度が大きいと思います。
株式/現金比率
ひふみワールドは、ひふみ投信同様、株式の組入比率を相場状況に応じて柔軟にコントロールします。株式/現金比率の推移も見てみました。
設定月である10月末の株式比率は約65%でした。当初のポートフォリオを構築する過程で85%まで上昇しましたが、その後株価の大幅下落もあり、3月末時点で約79%です。
ポートフォリオ
3月末時点で89社です。10月末の79社から10社増えました。組入上位10社は次のとおり。
TAKE-TWO INTERACTIVE SOFTWARE
INTUITIVE SURGICAL
BJ'S WHOLESALE CLUB
TEXAS INSTRUMENTS
ACCENTURE PLC-CL A
SAP
TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFACTURING-ADR
MICROSOFT
QUALCOMM
SITEONE LANDSCAPE SUPPLY
コロナウイルス拡大との関連では、運用責任者湯浅さんによると、ホテル、高額消費系、エネルギー関連を売却して減らした一方で、在宅やリモートワークへのシフトを意識して、ゲームやソフトウェア関連、生活密着の小売(高額消費ではない)などを増やしたとのことでした。
上位企業では、組入1位のテイクツー、7位のマイクロソフト、3位のビージェイズあたりが該当します。SAPも広い意味では当てはまるかもしれません。
中期目線で5Gなどを念頭に置いたTI、TSMC、クアルコムなども上位に入っていますが、今後、ウィズコロナが続く中、またしばらく先のアフターコロナの局面を見据えてどんなポートフォリオを組んでいくか注目です。
また、3月末の国別比率は以下です。(月次レポートより)
アメリカが約半分です。
運用開始前のイベントで、地域別の比率はある程度念頭に置いているが縛られない、という話もありました。確かに、どこに上場しているかよりもどこの地域でビジネスをしているかの方が大事なので、これとインデックスの比率を比較しても意味がないとは思います。
なお、2020年2月17日の第1期運用報告書によると、2019/10/8~2020/2/17までの期間の売買高比率は「2.21」でした。
先日4月のひふみアカデミーを動画視聴しました。
「外出自粛の中で、どのように企業調査をしていますか?」との質問に対するアナリストさん達の回答が興味深かったです。企業訪問や出張などが難しい状況でも、いろんな手段を駆使して社会の変化を嗅ぎ取り、投資アイディアにつなげようとする姿勢が感じられて、さすがレオスのチームだなと安心しました。
運用開始時のトークイベント。