セルフ・リライアンスという生き方

自分も社会も豊かにできるお金の使い方について。日々の投資や寄付の記録を綴ります。

認定NPO法人テラ・ルネッサンスの20周年キックオフイベント

ファンクラブ会員として応援してきた、認定NPO法人テラ・ルネッサンスが今年設立20周年を迎えます。7/3にオンラインで開催された「20周年キックオフイベント」に参加しました。

f:id:shimo1974:20210719120107p:plain

イベントは2部構成。
前半は、理事長の小川真吾さんより、この20年の活動の歩みを振り返る「20年で培ったテラ・ルネッサンスらしい支援の在り方」と題したプレゼンと、本間正人さんとの対談でした。

あるもの探し、レジリエンス、自尊心

テラ・ルネッサンスは、2005年にウガンダ北部で元子ども兵の社会復帰支援や職業訓練を開始し、2020年時点で累計3,000人以上をサポートしています。

現理事長の小川さんは、15年以上アフリカに駐在し、紛争被害者のサポートを中心に第一線で活動してきました。

「ないものを満たす」のではなく、「あるものを育む」視点がテラ・ルネッサンスの目指す支援だと、小川さんはいつも言います。

日本から見ると、アフリカ=貧しくて何もないというイメージを持つ人も多いですが、現地の文化や伝統、生活の中には、さまざまな資源があります。欧米的な、お金やモノをあげる援助ではなく、現地に元々「ある」もの、人々が持っているものを見つけ、育て、活かしながら、課題解決に一緒に取り組んでいく。
これが、テラ・ルネッサンスの考え方です。

元子ども兵や、性暴力被害者など、紛争の影響を受けた人々は、過去の辛い経験が厳然とある一方で、多様な知識や経験、技術、そして心の状態を持っています。経済的、社会的にとても弱い立場に置かれてはいても、常にどんな面でも脆弱ではありません。

脆弱な状況にあっても、持っているリソースをうまく活かすことで、どんな人であっても、困難を乗り越えていけるような力=レジリエンスを高め、未来をつくることができる。これは単なる信念ではなく、テラルネが20年の取り組みを通じて実証的に得た結論です。

そして、そのようなレジリエンスを向上させるのが「自尊心」です。小川さんによると、アフリカでの紛争被害者の支援を通して、社会復帰を促進する要素に「自尊心」があることがデータとして分かってきました。

コミュニティから排除されていた元子ども兵の若者が、他者と関わりを持ち、他者の役に立つことで、自分が必要とされていることを認識できます。テラルネが、木工や洋裁など、すぐに役立つ技能を教えているのは、それが他者への貢献を通じた自尊心向上と、社会復帰促進につながるからです。

「あるもの探し」「レジリエンス」「自尊心」というキーワードは、テラ・ルネッサンスの価値観をよく表す言葉で、共感しています。これらは、国際協力だけでなく、弱い立場にある人をサポートする分野全てに通ずる考え方なのではないでしょうか。

寄付先とのコミュニケーションと課題の自分ゴト化

ゲストの本間正人さんより、この20年のテラ・ルネッサンスの成長を支えた柱には「理念」「スタッフ」「サポーター」「コミュニケーション」の4つがあるとの話がありました。中でも、サポーターとのコミュニケーションを丁寧に、長く継続してきたことが大事だと言います。

私もファンクラブ会員であり、サポーターの一人です。サポーターは、テラルネとのコミュニケーションを通じて、ただ寄付するだけではなく、団体が取り組んでいる世界の課題を「自分ゴト」として感じられるようになります。今回のようなイベントもそうです。

寄付先とのコミュニケーションを通じた寄付の手触り感や、その先の世界とのつながりの実感は、寄付者にとって長く寄付を続ける動機づけになります。「継続的かつ丁寧な寄付者とのコミュニケーション」は、全てのNPOにとって、労力はかかりますがとても大事なことだと思います。

各拠点の活動報告

第2部は、創設者・理事の鬼丸昌也さんの進行で、アジア(ラオス、カンボジア)、アフリカ(ウガンダ、コンゴ、ブルンジ)、日本の各事務所から活動報告がありました。

現地スタッフさんが民族衣装で登場したり、歌や踊りもあったりと、それぞれの国の雰囲気を味わえました。皆さん熱量がすごく、テラ・ルネッサンスの仕事に対する思いが伝わってきました。オンラインでも、スタッフさんの顔が見えてとてもよかったと思います。

印象に残った言葉です。
ウガンダ事務所 オテマ・ジミーさん:「元子ども兵は、身体的にも精神的にも深い傷を負っているが、サポートがあれば必ず前に進める。彼ら自身が自分の力を引き出して自立するだけではなく、コミュニティの他の人達の力も引き出している。」

コンゴ事務所 テオフィー・チシバンジさん:「かつてコミュニティから見捨てられてしまった性暴力被害者の女性達が、支援によって尊厳を取り戻し、今では他の人達をサポートしている。」

共通するのは、サポートを受けた人達が、他者をサポートする側に回っているということです。他者に貢献することで、自尊心を回復し、コミュニティの中で関係性をつくり、誰かを支える側としてリーダーシップを発揮するまでになる、というのは素晴らしいことですね。テラ・ルネッサンスは、ひとりひとりに長く伴走することによって、支援する人達が本来持っている力を引き出しているのだと思います。

また、ブルンジでは焼き物(窯業)、カンボジアでは家畜銀行や家庭菜園、ラオスでは養蜂など、地域にもともと「あるもの」を活かす支援の具体例も紹介されました。

最近の活動ブログより。

【ラオス】キノコ栽培や養蜂など、訓練受講者のフォローアップ

【カンボジア】ロカブッス村で新たに12世帯が家畜飼育を開始

【コンゴ民】紛争下でも、コロナ禍でも、働く夢をあきらめない

【ウガンダ】訓練終了に向けた、ファイナルテストを実施中

また、国内の事業では、震災後に開始した「大槌刺し子」が10年の節目を迎えました。
10周年を機に、事業名を「大槌復興刺し子プロジェクト」から「大槌刺し子」とし、ロゴやコンセプトを一新。手仕事を通じた持続可能な社会づくりのため、OEM製品などに力を入れていくとのことです。

個人的に、テラ・ルネッサンスとの出会いは2014年の大槌刺し子のイベントがきっかけなので、これからも応援していきます。(当時の記事です)

「大槌復興刺し子プロジェクト大感謝祭2014」に行ってきました | セルフ・リライアンスという生き方(旧書庫)

イベントのクロージングは、小川さん、鬼丸さん、本間さんのトークでした。
小川さん、鬼丸さんの目指す、これからのテラ・ルネッサンスについてもお聞きできました。次の10年に向けて、啓発活動の拠点を海外に広げていく展望も具体化しつつあります。テラ・ルネッサンスらしい支援のかたちを、ぜひ広げていってほしいと思います。

「ひとり一人に未来をつくる力がある」。テラルネの変わらない価値観を確認できたイベントでした。ひさびさに現地の人達の声も聞けてうれしかったです。ファンクラブ会員として引き続き関わっていきます。

今回の20周年によせて個人協賛パートナーとしても寄付させて頂きました。改めておめでとうございました。

テラ・ルネッサンスのレポート。
【20周年キックオフイベント開催報告】ご参加ありがとうございました!

アーカイブ配信でも視聴できます。