セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

竹川美奈子さんのつみたてNISA勉強会に参加しました(第1回・竹川ゼミ)

竹川美奈子さんが講師を務めるセミナーで、つみたてNISAを勉強してきました。

来年1月から始まる「つみたてNISA」は、金融庁の認めた投資信託などに、年間40万円を上限に20年間非課税で積立投資ができる制度です。

つみたてNISAは、「また制度増やすの?」というマイナスイメージが強かったのですが、基本的なことは知っておこうと思い、今回、ニュートラルに解説してくれる竹川さんの勉強会ということで参加しました。

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つみたてNISAの対象商品、従来のNISA(一般NISA)との比較、活用上の留意点まで、ポイントを分かりやすく教えて頂きました。主に基礎知識のあるFPさんなど対象の勉強会で、レベル感も自分に合っていました。

 

ということで勉強会の内容はとても有益だったのですが、つみたてNISAについて一番感じたのが、対象商品の選定方法がユーザー本位ではないということです。

つみたてNISAは、金融庁の定めた要件に合致し、かつ届出された投信・ETFにのみ投資できます。現在、来年1月からの開始に向けて、114本の投資信託が届出済です。

(参考)つみたてNISA関連(金融庁)

商品がインデックスファンドに偏っているのはよしとしても、そのインデックスファンドのラインナップ自体に結構問題があると思いました。

まず、これだけ対象指数や商品の要件を細かく設定しておきながら、同じ指数対象のインデックスファンドや似たようなバランスファンドが乱立しすぎです。

例えば、TOPIXは11本、MSCIコクサイは14本(為替ヘッジ付含む)もあります。さらに、同じ運用会社で同じ指数対象のファンドを何本も届け出ています。
例えば、三菱UFJ国際投信1社で、TOPIX3本、MSCIコクサイが4本もあります。それぞれを詳しく見ていないので、販社ごとに分けるのかもしれませんが、はじめて投資する人にはとても分かりにくいでしょう。

勉強会で話題になりましたが、要件に合致する指定インデックス型は何でもOK、ではなく、各指数ごとにファンドの本数を絞るか、運用会社ごとに一つの指数には1本のファンドのみ、などの制限を設けたらよかったと思います。

商品が乱立すれば、残高が増えずに繰上償還されるファンドが出てくる可能性もありえます。マザーファンドが大きければOKかもしれませんが、つみたてNISA専用に新規設定されたファンドなどはリスクがありそうです。
この辺もユーザーの立場を考えていないと思います。「指定インデックス投信」であっても、残高要件を付ければいいのにと思いました。

結局、金融庁はあれやこれや細かく決めているわりには、信託報酬を重視するあまり、商品選定のバランスを欠いていて、投資を始める人の立場には立てていないと感じます。

もちろん、制度をきちんと理解した上で使えば、つみたてNISAも悪くないと思うのですが、初めての人がまずは個人型確定拠出年金(iDeCo)、さらにつみたてNISAもやりましょう・・・はハードルが高いです。

自分は自営業者で、iDeCoをMAX(月額6.8万円)使えるし、正直つみたてNISAはどっちでもいい感じです。もし使うとしたらアクティブファンドになるでしょうが、2018年は見送ります。

使い勝手や節税効果では、やはりNISA/つみたてNISAよりも、個人型確定拠出年金が大きく優っています。個人的には、NISAはいらないので、その財源を、会社員などの個人型確定拠出年金の拡充にまわしてほしいですね。

金融庁が貯蓄から投資へ、と言うなら、制度を乱立させて国民と金融業界を混乱させるのではなく、まずは現在の一般NISA、ジュニアNISA、それにつみたてNISAを一本化するのが先ではないでしょうか。

ネガティブばかりで申し訳ないので、前向きな話題も。
H29の税制改正で、従来のNISAのロールオーバー上限が廃止されました。例えば、120万の非課税枠で投資した商品が5年後に150万に値上がりした場合、120万の非課税枠を超えて、150万まるまる翌年以降の非課税口座に引き継ぐことができるようになります。

一般NISAは、当初口座を開設したものの一回も使っていません。
NISAを使うなら、つみたてNISAではなく、むしろ一般NISAで個別株などに投資するのはありと思いました。

(参考)NISA・ジュニアNISAの非課税期間終了時のロールオーバー上限額の撤廃(PDF)

(リンク元)最新版 平成29年度税制改正解説:お知らせ 【税理士法人 山田&パートナーズ】

なお、今回の勉強会は、生活経済研究所長野さんのWeb上で有料配信予定とのことです。今後も、投資信託関係の勉強会を企画されるそうです。

家計の見直しセミナー|生活経済研究所長野のWEBセミナー

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