鎌倉投信の結い2101の主に定量面の運用状況を定期的にまとめています。前回からだいぶ間が空きましたが、2022年3月末時点のサマリーです。
鎌倉投信の月次運用報告(結いだより)、モーニングスター及び投信協会の公表情報から作成しています。
(前回記事) 鎌倉投信・結い2101サマリー(2021年6月末)
ポートフォリオ
3月末時点の投資先は、上場60社、非上場6社の計66社です。1年前と比較すると、3社減(アドバネクス、ホープ、ソウルドアウト)、1社増(ナガイレーベン)で差し引き2社減です。
ソウルドアウトは博報堂のTOBにより上場廃止となります。ファンドマネージャー五十嵐さんのコメントのとおり残念です。
誠に残念ではありましたが、当該TOBに応募しました。その後、ソウルドアウトの経営陣と面談し、「中小・ベンチャー企業が咲き誇る国へ」のミッション実現に向けて、非上場化しても変わらず「いい会社」であり続けて欲しいと要望しました。
株式比率の推移です。3月末時点で56.7%。ボラティリティ上昇を受けて株式比率を下げ、現金を増やしています。
パフォーマンス
設定来と、過去3年の基準価額推移。参考としてTOPIXのインデックスファンドの推移も併記。
※結い2101はベンチマークはありません。あくまで参考として載せています。
・設定来(2010/3/29~2022/3/31)
結い2101 +106.3%
・過去3年(2019/3/29=100として指数化)
結い2101 +7.3%
ここ2年ぐらいは一方的に上げ相場が続いたので、現金比率の高い結い2101はマーケットとは差が付いています。(ポートフォリオが全く違うので単純比較はできません)。
一方、モーニングスターのデータから拾った、過去5年のリスク/リターンは以下です。結い2101を見る場合には、単純なリターン比較よりもこちらの方が重要かと思います。左上にあるほどリスクあたりのリターンが高いことを示します。
リスクの低さから、基本的にシャープレシオでは優位だった結い2101ですが、5年のシャープレシオ(0.36)は、ファンドの目標である0.4よりも低く、eMAXIS TOPIXインデックス(0.42)やモーニングスターの同一分類(小型グロース)の平均(0.38)よりも若干下回りました。
※モーニングスターと鎌倉投信の公表データは算定方法が違うようで一致しませんので注意。
ウクライナ侵攻や金利上昇、為替の変動もあり相場環境が変わってきているので、今後は結いの強みが戻ってくると期待しています。
純資産総額
3月末時点の純資産総額は466億円。2021年後半以降の基準価額の下落により、前年同時期(487億円)と比べると減少しました。
2020年月~2022年2月の資金流出入グラフ。多少出入りがありますが最近はほぼ安定して純流入となっています。
顧客数
顧客数は安定して増えており、3月末で約22,000人です。積立している受益者は約半分です。
その他トピック
・亀田製菓「いい会社の経営者講演」
米菓の亀田から、人にやさしい食品業へと変貌しつつある亀田製菓のストーリーを、ジュネジャ副社長からお聞きしました。オンラインでしたが質問や応援コメントがたくさん出て盛り上がりました。
<結いだより>
【報告】「いい会社」の経営者講演(亀田製菓)~まだ見ぬお米の力、世界へ発信~
<当ブログのレポ>
鎌倉投信・「いい会社」の経営者講演(亀田製菓・ジュネジャ副社長)
・流動性リスク規制について
結いだより4月号で説明があります。結い2101は中小型株が多いですが、「非流動性資産」に該当する相対的に流動性の低い企業の割合が5割を超えないようにポートフォリオを組んでいます。また、関連して、ファンドの適正規模は、現在の2倍ぐらいの800~1,000億程度と試算しているとのことです。
・春の運用報告会
毎年恒例の運用報告会が4/20、4/23に開催されます。今年も参加予定です。
結い2101の積立を初めて間もなく満9年です。引き続きいい会社に長期で投資していきます。