セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

鎌倉投信・結い2101 サマリー(2022年12月)

鎌倉投信「結い2101」の2022年12月末時点の運用状況のまとめです。

データは鎌倉投信の月次運用報告(結いだより)、モーニングスター及び投信協会の公表情報から作成しています。

(前回記事)鎌倉投信・結い2101 サマリー(2022年9月)

ポートフォリオ

12月末時点の投資先は、9月末時点から2社増えて69社となりました。11月、12月と続けて1社ずつ新規投資したとのことです。

投資比率が一定に達するまで企業名は非開示ですが、どんな会社か楽しみです。新メンバー(野田さん)が加入したこと、コロナ禍の緩和もあって、企業調査に積極的に取り組めるようになってきたとのことです。今後もいい会社の発掘を期待します。

 

12月末時点の投資先上位は以下のとおりです。(均等額投資が基本なので、株価変動によって順位は上下します。) この中では、ユーグレナとコタは個人でも直接保有中です。

 

結い2101は、基準価額の変動率(リスク)に応じて、株式比率を調整してファンドのリスクを管理しています。最近の株式比率は50%台前半と、鎌倉投信の歴史の中でも低めで推移しています。それだけ市場のリスクが高い状態が続いているということですね。

パフォーマンス

過去3年・過去1年の基準価額推移です。
結い2101にはベンチマークはありませんが、いつもと同じく、参考としてTOPIXに連動するインデックスファンド(eMAXIS TOPIXインデックス)と比較しました。

過去3年では、結い2101が比較的多く組み入れてきた中小型のグロース株の相対的なパフォーマンス悪化で、TOPIXには劣後しています。

一方、過去1年では結い2101の方がTOPIXよりもマイナス幅が小さくなりました。

<過去3年、2019/12/30=100として>

<過去1年、2021/12/30=100として>

 

ファンドマネージャー五十嵐さんのコラムでこんな記述があります。ポートフォリオの中身もグロース系への偏りを新規組入によって分散していますし、リスクが高まる局面では鎌倉投信の運用力が発揮されると期待しています。

株式組入比率の引下げはリスクの上昇を抑えることを目的にとった行動ではありますが、結果として下落相場のなかでファンドのリターンのマイナスを抑えることにも寄与しました。
運用コラム「2022年を振り返って」より)

なお、結い2101は、「信託報酬控除後リターン:年率4%以上、リスク:年率10%以内、シャープレシオ0.4以上)という運用目標を設定しています。12月末時点での長期(10年)のシャープレシオは「0.69」と、これをクリアしています。

純資産・流出入など

・純資産総額

 2021年12月末(479億円)→ 2022年12月末(478億円)とほぼ横ばいです。

・月次資金流出入

 過去2年の月次資金流出入です。2022年10月に約▲11億円の純流出があり、久々に大きな流出額でした。こうした大きな出入りは少なくなってほしいところです。

・顧客数

12月末時点の顧客数は21,958人、うち定期定額購入(積立)の顧客数は11,404人(約52%)でした。

「結いだより」より

鎌田社長の年頭あいさつに、大事なことが書かれていました。

インフレと金利上昇、地政学的リスクの顕在化など、世界の大きな変化や転換の中にあって、今まで以上に個別企業の価値を見極める姿勢をもち、長期視点で投資していく必要があるとの指摘です。

自分個人としても、改めて2023年は「企業価値」について深く考える年にしたいと思います。

こうした環境下だからこそ、株価変動に一喜一憂するのではなく、実態としての価値に着目して、将来価値が高まる可能性を秘めた投資先に腰を据えて投資していくことが肝要です。株価ではなく企業価値に投資する。そこに、「長期投資の本質」があるのではないでしょうか。正に長期投資の真価が試される時代に入ってきたと感じます。
(「長期投資の本質が試される時代に」より)