セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

直販投信と「5つのP」

「5つのP」とは、機関投資家がアクティブファンドを選ぶ際のチェック項目だそうです。最近出た竹川美奈子さんの書籍「新・投資信託にだまされるな!」の中のコラムで書かれています。

(「新・投資信託にだまされるな!」p153より引用)

1.Philosophy(フィロソフィー)   
 運用理念・投資哲学は明確か
2.Process(プロセス)   
 運用スタイル・投資プロセスは分かりやすく説明されているか
3.Portfolio(ポートフォリオ)  
 1.2.に沿った中身になっているか  
 どのようなリターン・リスク特性があるか
4.People(ピープル) 
 運用体制や運用担当者の経歴は開示されているか
 人材は定着しているか
5.Performance(パフォーマンス)
 運用実績(リスク・リターン、運用の効率性)などは納得できるものか

※注:竹川さんは、インデックスファンドを基本的におすすめしつつも、アクティブファンドに投資するとしたら、この5Pをよく見極めてからにするのが大事ですよ、と言われています。

この「5つのP」を改めて読み返すと、ひふみ投信や鎌倉投信、コモンズ投信など、最近資産残高を着実に伸ばしている直販投信(独立系投信)会社の特徴にそのまま当てはまる気がしました。

運用スタイルは各社違いますが、

●明確な運用理念をかかげ、 ●運用方針を投資家に分かりやすく提示し、 ●ポートフォリオやファンドのリスクを詳細に説明する、 そして、 運用報告会などのいろいろな機会を使って、個人投資家とのコミュニケーションを大事にする、という姿勢は共通しています。

さらに、 4.の「顔が見える」「誰が運用しているかが分かる」という点は、直販投信と、従来の銀行・証券系の大手運用会社とが決定的に違うところです。 まさに「会いに行けるファンドマネージャー」です。 個人的には、この点が一番大きいのではないかと思います。

自分が鎌倉投信などに投資しているのも、特に意識したわけではありませんが、この「5つのP」を知らないうちに検討して、納得したからです。 そしてこれは、「5つのP」について検討できる材料を、運用会社が積極的に提示してくれているからこそ可能です。

ただし、同じ直販投信でも、独立系元祖のさわかみ投信のように伸び悩んでいるファンドもあります。 おそらく、5つのPのうちのどれか、またはいくつかが欠けている、もしくは昔とは変わってしまったからなのでしょう。

したがって、投資を始めるときだけでなく、運用中も、そのファンドや運用会社の「5つのP」が保たれているか、継続的にチェックし続けることも大事になりますね。