セルフ・リライアンスという生き方

自立した個人として豊かに生きる。長期投資のメモ。

改訂版 一番やさしい! 一番くわしい! はじめての「投資信託」入門(竹川美奈子さん・著)

投資信託本のロングセラー、『はじめての「投資信託」入門』が5年半ぶりに改訂されました。
著者の竹川美奈子さんからお送りいただきました。ありがとうございます!

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投資信託は、まとまったお金がなくても、コツコツ分散投資できる、ふつうの人の資産形成にとても適した商品です。ただ、”投資信託”という言葉のせいもあり、株式などより「仕組みが難しい」「分かりにくい」」という人が多いようです。

自分も投資を始めた頃は、特有の「基準価額」や「分配金再投資」という言葉がピンと来ず、株式のみで投資信託は食わず嫌いでした。

多くの人にとって本当は有用なはずの投資信託。
そんな投資信託のハードルを低くするため、投資信託の仕組みから選び方までの基礎知識を、はじめての人がステップを追って理解できるよう分かりやすく解説した本です。

改訂版 一番やさしい! 一番くわしい!   はじめての「投資信託」入門

改訂版 一番やさしい! 一番くわしい! はじめての「投資信託」入門

 

第1章 そもそも投資信託って何!?
第2章 投資信託の儲けと損はどう決まる?
第3章 投資信託はどのように運用されている?
第4章 投資信託でお金をふやすための「3つの戦略」
第5章 納得できる正しいアクティブ投信の選び方
第6章 投資信託はこうして買いなさい

数ある投信関連本の中でも、投信をこれから学びたい人には、内容、分量、レベル感など全ての点でベストの一冊だと思います。

中でもおススメポイントをいくつか。

・基本見開き2ページで1項目が完結。文章+イラスト・図表で視覚的にインプットしやすい。

・専門用語はなるべく身近な言葉に置きかえて説明。
 - 「投資信託はいろいろなおかずを詰め合わせにしたお弁当」
 - 「投信を選ぶときには恋人を選ぶようにチェック」

・バランスのとれた記述。インデックスファンドだけでなくアクティブファンドもしっかり解説。

・売り手や金融機関ではなく、生活者、投資家の立場で書かれている。

また、本書は入門書の位置づけですが、経験者も再認識したいポイントもたくさんありました。2つ引用します。

投信を買うときには、まず投信を売っている証券会社や銀行などに目が向きがちです。けれど、本当は投信を買うときには、「売っている会社」ではなく、「つくっている会社」に注目することが大切です。
- p32 主役は「投信をつくって運用している会社」=「運用会社」

日本では「今売れる投信」を毎月大量に発売したり、似たような投信がたくさん売り出されたりしています。けれど、投信の場合、”新発売“のものを買うのは多くの場合、おすすめできません。
- p152 新規設定ではなく「ご長寿投信」に注目!

投資信託に限りませんが、金融商品は全般的に、金融機関目線での「売るため」の情報があふれています。どんな投資スタイルにしても、本書のように、中立的な立場の本で正しく理解したうえで、自分なりに選択することが大事だと思います。

竹川さんがめざしているのは「日常の暮らしの中にある投資」。投資信託は、本来ゆったり、長く付き合える投資のツールです。
ぜひ、この本で、生活の一部に自然に投資信託を取り入れる人がふえてほしいです。

なお、投資信託全体の知識を学ぶ本なので、つみたてNISAやiDeCoなど、最近の制度についての記述は少ないです。同じく竹川さんのこちらの2冊で補えば完璧だと思います。

税金がタダになる、おトクな 「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門

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一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門

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