セルフ・リライアンスという生き方

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ESGインデックスを連動対象とするETF3本が東証に上場

9月26日、東証にESGインデックスへの連動を目指すETFが3本上場しました。ESG投資を掲げる国内初のETFです。設定、運用は大和証券投資信託委託が行います。

大和投資信託が 3本のESG 投資の「ETF」を東証に初上場、 GPIF採用の3指数に連動したFTSEやMSCIなどの上場投信。個人投資家向け市場開拓目指す(RIEF) | 一般社団法人環境金融研究機構

具体的には、先日GPIFが採用したESGインデックス3つをベンチマークとする、以下の3本です。

ダイワ上場投信-MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数(1653)

 略称:<大和ESGセレクト>

  • 各業種内においてMSCI が選定したESG(環境、社会、ガバナンス)評価が相対的に優れた企業により構築される株価指数。投資ユニバースは時価総額上位 500 銘柄(MSCIジャパンIMIトップ500指数)。
  • ESG課題に対するリスクの大きさと、課題への取り組み内容を分析し評価したESG格付けに基づいて選定。
  • 構成銘柄数:251社(6月時点)

ESG格付の内容も公表されています。
東芝や東京電力、三菱自動車などが下位なのは分かりやすいです。逆に、ダイキン、デンソー、オムロンあたりが上位なのは個人的なイメージと一致します。

なお、MSCI社のインデックスでは、大きな不祥事が発生した企業は除外するとしています。

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(「MSCI ESG 格付けレポート日本2017年7月」より)

(指数詳細)MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数 - MSCI
(商品紹介)ダイワ上場投信-MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数

ダイワ上場投信-MSCI日本株女性活躍指数(WIN)(1652)

 略称:<大和WIN>

  • 職場における高い性別多様性を推進する日本企業で構成される株価指数。投資ユニバースは時価総額上位 500 銘柄(MSCIジャパンIMIトップ500指数)。
  • 女性活躍推進法により開示される性別多様性に関するデータと、企業の開示情報に基づき算出した、性別多様性スコアの高い上位半数の企業を選定。
  • 構成銘柄数:212社(6月時点)

(指数詳細)MSCI日本株女性活躍指数 (WIN) - MSCI
(商品紹介)ダイワ上場投信-MSCI日本株女性活躍指数(WIN)

ダイワ上場投信-FTSE Blossom Japan Index(1654)

 略称:<大和ブロッサム>

  • FTSEが選定する、ESG要因への対応力が優れた企業で構成される株価指数。国連の「持続可能な開発目標」を含む国際基準から導出された、FTSE 4 Goodインデックスの組み入れ基準を使用して作成。
    (参考)FTSE4Good Indexとは・何か | Sustainable Japan
  • ESGレーティングは、市場参加者がスチュワードシップ活動及び対話(エンゲージメント)に活用できる明確なESG基準に基づいて行う。
  • 日本株市場を反映するために、FTSE Japan Indexに対して業種ニュートラルにし、トラッキング・エラーを減らすように設計。
  • 構成銘柄数:151社(6月時点)。

(指数詳細)FTSE Blossom Japan Index | FTSE Russell
(商品紹介)ダイワ上場投信-FTSE Blossom Japan Index

各指数の組入上位銘柄はこちらを。

 

今回の上場で、個人でも簡単にESG投資が可能、しかも、GPIFが採用したのと同じ指数に連動するETFで投資できるようになります。

ただ、「時価総額の大きい会社」の中から、「業種バランスを考慮した相対評価」をベースに、「機械的なESGスコアリングで上位の企業」、に幅広くパッシブ投資することが、本当にESGの目指すところなのか?という議論はあります。もちろん、リスクリターンで日本株の平均を(少々)上回ることはできるかもしれませんが。

先日、鎌倉投信・新井さんとテラ・ルネッサンス鬼丸さんとの対談でも話題になりました。

また、ETFの手軽さからESGが短期的動機に基づく投資のツールと化したり、投資される企業側が、ESGスコアを上げることばかりを目的化するとしたら、ESGの源流である国連のPRI(責任投資原則)の思想とは違うのかなと思います。

一方で、こういう商品によって、「ESG」が広く知られ、関心が高まること自体はいいことです。
また、ESGの広がりで、企業が株主以外のステークホルダーにもきちんと向き合って、環境、社会、ガバナンス面に配慮した事業活動に長い目で取り組み、さらに投資家への開示や対話のレベルも高めていってくれればいいと思います。

このあたりは、ESGが広まって欲しい反面、一過性のブームや誤った広まり方にならないで欲しいです。

やっぱりESGの本質は、環境や社会の長期的な「持続可能性」の視点から、投資家が自分たちのお金の行き先に責任を持つこと=「責任投資」だと考えています。

自分としては、鎌倉投信の結い2101、コモンズ30ファンドなど、ずっと前から、ESGとは言わなくても、しっかりした長期投資の理念で運用されているファンドにお金を託しています。なので、この3本のESG-ETFは、純資産の増え方などマーケットでの評価には関心がありますが、投資は見送ります。

そう言えば、9/28のクローズアップ現代で、ESG投資が特集されました。録画して見ていないのですが、今回のETFといい、ESGも市民権を得つつあるのでしょうか。

【関連記事】旧ブログよりESG関係です。

企業・投資家・証券アナリスト 価値向上のための対話【読了】

投資家と企業のためのESG読本【読了】

日経ヴェリタス1/8号のESG投資特集で紹介頂きました