ミュージックセキュリティーズのファンドで、京町家の再生プロジェクトに出資しました。
セキュリテの投資は3件目になります。
京都 現代京町家「藏や」ファンド|セキュリテ
本ファンドの事業主体は、京町家のリノベーションや現代京町家の新築事業などを手がける、株式会社中藏です。同社は、京都市内で、京町家をフルリフォームした町屋旅館「藏や」シリーズを3軒運営しています。
今回のセキュリテのファンドは、二条城近くの、空き家となっている京町家を「藏や」にリノベーションするとともに、隣家に交流の場となるオープンファクトリー「清課堂」を併設するための資金にあてられます。ファンドの配当原資は、リノベ後の「藏や」の宿泊売上です。
「藏や」は、一日一組の一棟貸しスタイル。古さを活かしつつ、充実した内装や設備を備えます。最近はホテルではなく、こういったゲストハウス的な町家に泊まるニーズが、外国人、日本人問わず増えているようです。
京都でも空き家問題は深刻で、オーナーが高齢化する中、歴史ある町家の保存をどう進めるかは大事な課題になっています。市でも、「京町屋まちづくりクラウドファンディング支援事業」を立ち上げ、町家の保存・再生に個人のお金を呼び込むためのサポートを開始しました。本件はその「つながる京町家ファンド」シリーズの1件目の案件です。
株式会社中藏の経営理念は「つなぐ」がキーワード。
(株式会社中藏 ウェブサイトより)
自分の仕事の領域でもある不動産に関わり、昔ながらの京町屋の街並みや生活様式を次世代につないでいけるファンドということで出資しました。
申込単位:54,000円~ (募集総額630万円)
会計期間:3年間
累計リクープ売上高:25,200千円
事業計画売上高:40,590千円(源泉徴収後償還率109.7%)
となっています。
ボラティリティ―の激しい宿泊事業なので、事業計画どおりいかないリスクも十分あります。
既存施設の宿泊者構成はインバウンドが7割だそうで、今後の為替など次第では、稼働率もかなり下ブレするかもしれません。個人的な感覚ですが、民泊含め、競合も増えているのではないでしょうか。
セキュリテの出資は、純粋なリターン目的よりも共感投資です。投資額も小さめなので、こういったリスクは受け入れています。そもそも、利回り目的だとしたら想定リターンは見合いません(笑)
※営業者と運営者について
「藏や」のサイトでは、運営者は中藏ではなく「アールスクウェア株式会社」となっています。この点をミュージックセキュリティーズに質問したところ、同社は中藏の役員で構成され、実質的には一体だそうです(会社所在地も同じでした)。オーナー兼営業者である中藏が建物を施工し、アールスクウェアに運営委託を行うそうです。スキーム的には特に問題ないと判断しました。
投資家特典は、茶道体験、「清課堂」の錫製品、ランチ権利などから選べます。5口(27万円以上)出資すると、「藏や」に泊まれます。
募集期間は2017年1月31日まで(満額達成で終了)です。