セルフ・リライアンスという生き方

投資信託を中心にいい会社、いい事業にコツコツ長期投資しています。 社会とつながるソーシャルな投資や寄付も実践中。

お金の流れに「ソーシャル」をプラスする(京都地域創造基金 深尾昌峰さん × テラ・ルネッサンス 鬼丸昌也さん)

テラ・ルネッサンスの鬼丸さんが、「お金」と「平和」をテーマにゲストと語り合うシリーズ。昨年の第1クールは、鎌倉投信のファンドマネージャー新井和宏さんや、枝廣淳子さんを招いて、興味深い議論が展開しました。(前回の記事)

第2クールは、お金と社会課題との関係や個人の役割をより深く掘り下げていきます。初回は、京都地域創造基金理事長・深尾昌峰さんがゲストでした。

深尾さんは、京都を拠点に、地域の社会的課題を解決するため、「寄付」と「社会的投資」を柱にソーシャルなお金の流れをデザインしています。

一つは、市民の出資と寄付をもとにNPOなどに助成を行う、「公益財団法人京都地域創造基金」の活動。
もう一つが、社会的事業に投資を行う株式会社「プラスソーシャル」と「プラスソーシャルインベストメント」の取り組みです。この "PLUS SOCIAL"(プラスソーシャル)という言葉には、お金の流れに「ソーシャル」(社会性)をプラスする、との意味が込められています。

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いくつか印象に残った部分をメモ。

・「変人」は最大の賛辞。なぜなら社会を「変える人」だから。「変人」は、メインストリームではない価値観にいち早く気づき、動ける人。例えば、明治の時代に女子教育を始めた人は変人だった。

・新しい社会課題は認知されるのに時間がかかる。例えば「DV」という言葉が存在しない30年前は、DV被害者を行政が支援することはなかった。社会的に認知されるまでは、市民が自ら取り組み、支え合うことが必要。寄付はこの段階を支えるお金。

・寄付は個人が社会の変革に参加する権利。社会に一人一人の価値観を反映できるような機会を保障するために、コミュニティ財団をつくった。「お金の意志」を大事にしたい。意志のあるお金には社会を変える力がある。

・市民エネルギーファンドや環境問題(ごみ処理)にも取り組んでいるが、もはや効率性を追求する従来のビジネスモデルでは持続可能な社会づくりはできない。営利・非営利を超えて「ソーシャルビジネス化」が進んでいく時代。

なお、プラスソーシャルは、とてもレアな「非営利型」の株式会社です。株主(深尾さん)は利益の分配を受けず、全て社会に還元するという組織で、深尾さんの考え方が現れています。

また、プラスソーシャルインベストメントは、2017年に第二種金融商品取引業者の登録もし、今後は、地域金融機関で社会的企業(保育所など)の私募債販売も検討中とのこと。過去に滋賀の東近江でSIB(ソーシャルインパクトボンド)のアレンジなども行っていますがが、「社会的投資」の仕組みをさらに広げようとしています。

われわれ個人から見ると、寄付ではなく、「社会的な投資」にお金を振り向ける手段は、ミュージックセキュリティーズなどを除いて限られています。ぜひ市民が草の根的に参加できる取り組みが広がってほしいです。

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鬼丸さんの深尾さん評は、新しいことをデザインする「構想力」と、当事者の気持ちを一つにまとめる「対話力」にとても秀でた方ということ。「カンパイチャリティ」のように、企業も巻き込み、一般市民が楽しみながら寄付に参加できるアイディアも生み出しました。

社会的投資、というこれからの領域を切り開くリーダーの思いを聞くことができました。深尾さんの活動は本当に多岐に渡っているので、これを機会に勉強させて頂きます。

本セミナーの第2回(2/20)は、コモンズ投信会長・渋澤健さんとのセッションです。投資が社会に果たす役割について、鬼丸さんとの間でどんな話が展開するか、楽しみです。私も申し込みました。