セルフ・リライアンスという生き方

自分も社会も豊かにできるお金の使い方について。日々の投資や寄付の記録を綴ります。

「企業と寄付」について考える(寄付月間・コモンズ投信トークイベント)

12月は「寄付月間」ということで、ひさびさに寄付関係の記事です。こんなイベントに参加しました。

<会場&オンライン> 企業の見えない価値、寄付編 わたしたちが寄付アクションを起こすその理由

企業の大事な社会的活動の一つに、企業財団等を通じた寄付や助成があります。今回は、企業でこれらを担当する方々の、活動への想いや問題意識を聞きました。

いつもお世話になっている、コモンズ投信の馬越裕子さんがファシリテーターを務め、各社の取り組みの説明のあと、トークセッションでした。

・ベネッセこども基金 青木智宏さん
・資生堂子ども財団 白岩哲明さん
・中嶋弓子さん(フィランソロピープロデューサー)

2社に共通するのは「子ども支援」です。ベネッセは、経済的事情や障がいなど様々な困難を抱える子どもたちに対する学習支援の分野で、資生堂は社会的養護下にある子どもたちの自立支援(奨学金など)を中心に多様な取り組みをしています。お金の出し方は自主事業とNPOなどへの助成が柱です。

両社とも、財源は会社本体からの寄付がメインですが、社員や株主からの寄付もあります。ベネッセは、進研ゼミの会員の子どもたちからポイントで寄付を受けられる仕組みもあるとのこと。資生堂は最近外部からの寄付も受け入れ始め、ファンドレイジングに試行錯誤しているとの話でした。

進研ゼミ努力賞募金 | ベネッセ こどもの未来応援プロジェクト| 株式会社ベネッセホールディングス

 

トークで印象に残ったコメントです。ぴったり正確ではないので、ぜひアーカイブをご覧ください。

・コモンズ投信 馬越さん

『子どもは「使う、ためる」だけでなく「投資する、寄付する」という社会に役立つお金の使い方を知ると一気に視野が広がる。社会と主体的に関わる力が生まれる。』
→ コモンズのお金の教育活動はとても意義が高いと思います。

『寄付先選びは本当に大変。(でも)自ら選びきる、自分の物差しをもって関わること。』
→ 企業でも個人でも、どの団体に、どんな理由で寄付するか。この悩みは尽きませんが、「誰かに勧められたから」ではなく、自分で選ぶことの大切さは同じです。

・資生堂子ども財団 白岩さん

『児童虐待や社会的擁護の問題に対して、「自分も何かできるのでは」と思っている人はたくさんいるはず。なので広く一般からの寄付も募り始めた。』
→ 企業の基金や財団も、一般個人や外部からのファンドレイジングをもっとやっていいと思いました。特に、資生堂やベネッセのような知名度のある会社なら、ある意味小さいNPOよりも資金も集まりやすいのではないでしょうか。

・ベネッセこども基金 青木さん

『以前は寄付は相手のためと思っていたが、今は自分のためでもある、と思う。自分自身の痛みを和らげることができる。』
→ これは本当にそう思います。利他は利己です。

『営利と非営利の間の領域が拡大している。企業とNPOが一緒にソーシャルイノベーションを起こす流れ。企業からNPOへ人をもっと送るべき。』
→ 営利と非営利の間の断絶を解消する必要があります。プロボノや転職も含めて、もっと企業からNPOへの人の流れがあっていいと思います。

・中嶋弓子さん

『「子ども支援」はお金が集まりやすいのに、「難病や障害のある子どもの支援」はお金が集まりにくい。身近な問題と感じられないから。』
→ 確かに、と思ってしまう反面、自分も子ども関係に寄付しているので、考えさせられる問題提起でした。

質疑応答では、WAFCA(※こちらもコモンズ30ファンド投資先であるデンソー母体のNPO)の方から、寄付に対する社内広報を効果的に行うには?という質問がありました。

これに対する中嶋さんの、マッチング寄付、寄付先選びへの社員の参加、候補先団体を集めてピッチ、さらに寄付先に社員をボランティアで派遣・・・とあらゆることをやるべき、という回答もなるほどと思いました。確かに、企業規模が大きくなるほど、自社のCSR活動に対する社員の関心が薄くなるので、どう社員を巻き込むかはみなさん苦労されているようです。

寄付に携わる企業のご担当者の話を聞く機会はなかなかなく、参考になりました。企業の人達も「寄付」に対して様々な葛藤を抱えているということも分かりました。

ベネッセの青木さんの寄付観には頷くところが多かったです。チャンスがあれば直接お話できればと思いました。